WHITE ALBUM2 第9話「すれ違う心」

現実世界もしだいに冬の寒さを感じるようになってきました。いよいよホワイトアルバムの季節。本作の切なさが身にしみますよ。


今回のサブタイトルは「すれ違う心」なのですが、もっと細かく見ればすれ違うというよりも、「意図的に距離をおいている」という表現のほうがしっくり来ますかね。春希とかずさ、お互いに、明らかにただの友情以上の意識を抱いているのに、それを表に出すことが出来ずに、逆に離れようとしている。そしてかずさはピアノに、春希は雪菜にそのあふれそうな想いを持っていこうとしていると。


かずさはそんな自分の心情をそれなりに把握しているようですが、春希はどうでしょう。春希の雪菜に対する好意も決して嘘ではないだけに、自分自身の心すらごまかせているのかもしれません。でも、すぐにかずさのことを思い浮かべたり、甲斐甲斐しくかずさの家に足を運んだりと、行動の方は全然ごまかせてないですね。


さてそこで雪菜です。今回も雪菜の出番がたくさんで嬉しい。悩み気味の2人と異なり、現時点での雪菜は基本的には悩みもなく幸せモードなので、見ていて心が和みます。春希と熱烈なキスを交わす雪菜も、かずさのピアノに感動して涙する雪菜も、かずさが優勝できなかったことに落ち込んでまた泣く雪菜も、色んな表情が彼女らしい。


しかし、今回一番インパクトがあったのは、嘘をついてまで家族との旅行をキャンセルし、春希たちと2人もしくは3人のパーティを企画する雪菜でしょう。春希の最初の要望を単に受け入れるのではなく、わざわざこうした形に持っていくところは、揺れる乙女心なのですかねえ。というか、これまで男性と付き合った経験が(多分)ないにも関わらず、加えて、基本人付き合いが上手いタイプでもないであろうのに、こういう段取りが自然に出来てしまうのが不思議。ある意味天性なんでしょうかねえ。


下着も上着も気合を入れて、さて、雪菜が望むのは2人きりのパーティか、3人でのパーティか。それはきっと、彼女自身にも分からないのでしょう。


さてところで、今回も作画の気になる点がちらほら。シナリオ・演出には納得しているだけに、ここさえもうちょっと頑張ってくれればと願う次第です。2期祈願のために珍しくBD買おうかなと検討しているのですが、修正に気合が入ってくれると良いなあ。