「Fate/stay night [Heaven's Feel]」 ?.lost butterfly」

実はこの年末年始、ろくに新アニメもチェックせずに「結城友奈は勇者である 花結いのきらめき」というソーシャルゲームにはまり込んでいたりします。ただ、そんな中でも何をおいても観ておかねばならないのが本作。優先順位は最高峰です。本当は去年観たかったんですが、ちと待たされました。もっとも、こちらは原作プレイ時から考えれば15年待ってきたところ。なにより、1章に続いてこれだけのクオリティで作り上げられては、ぐうの音も出ないというものです。


前作から1年以上経っているので、最初は少し記憶力に不安がありましたが、始まってみると細かいことはともかく、一気に世界に引き込まれますね。まず単純に作画が素晴らしい。空気感だけで浸れます。


そしてなんと言っても桜ですよ。桜ちゃん。もちろん1章でもヒロインではありましたが、2章でいよいよマスターであるということ、凛の妹であるということが明らかになって、桜の桜らしい面が良くも悪くもどんどんと表に出てきます。可愛くてエロスで黒くて健気で幼稚で頑張りやな彼女の姿をたくさん観られますよ。良きかな。視界、士郎と桜が結ばれるシーンをあれだけしっかり描くとはちと驚きましたね。でもエロ目線というより、「良かったねえ桜ちゃん」という思いになってしまいます。少なくともその時、彼女は幸せであったでしょうから。


ただ、桜好きな視点から見ても彼女がどんどん罪を重ねてしまっているのは事実(メルヘンチックな夢の中で桜が次々と「捕食」していく図はアニメ版ならではのすごい絵でしたねえ……)。この重苦しさが原作HFルートをプレイし直せない理由ではありますが、果たして第3章ではどのような結末を見せてくれるのでしょうか。予告では2020年春とのこと。予定通り桜の季節となれば美しいですね。


バトルもありましたが、今回のメインはやっぱりキャラクターの心情や関係性だったと言えましょう。ちょこちょこっと出番を増やしてきたイリヤも、本来のイリヤルートが混じっているというだけはあり、最後にさらに見せ場もあることでしょうね。ufotableらしく、zeroとの繋がりもうまく入れてきます。藤ねえにまで出番があるとは思っていなかったですよ……。そう言えば、アインツベルン城結構派手に壊れてましたが、リズとセラは無事なんでしょうか。まあ地下室に避難したということにしましょう。


そんなこんなで、期待通り期待以上の出来栄えでした。厳しく言えばちょっと展開に飛び飛び感はあるんですが(凛が桜を処分すると言っていたのが、なんとなくうやむやになったのがちと気になりました。そこは行間を読めということなんでしょうが……)、元が長すぎるので多少はしょうがない。


それにしても、映画の客層意外と女性が多いなあと思いました。もちろん基本的には男性主体なんですが、2割以上は女性だったような。FGOも人気なようですし、ファン層広がってますよね。すごいものです。