WHITE ALBUM2 第8話「やがて冬が始まって」

WHITE ALBUMの季節、3人の冬がやって来ました。OPも飛ばして描かれた雪菜とかずさの屋上のシーンは、作画にも力が入っていて印象的。かずさの気持ちを知りつつ春希に告白したことをと謝る雪菜に、あくまで勘違いであると否定するかずさの平行線。それでも、ここからお互いに名前で呼ぶようになり、また一歩2人の距離は近づくのでした。雪菜は基本的に感激屋で、好きな人にはすぐに抱きついたりくっついたりする。その素直さが可愛らしいです。なんだか毎回雪菜が可愛いばかり言っている気がしますが。


特訓の成果もあり、かずさも卒業決定。クリスマス会兼卒業祝い兼プレ同窓会として、温泉旅行が企画されます。原作では、雪菜が両親の許可を取るのに春希の参加を秘密にしていたという一幕があり、彼女のある意味要領の良さが出ていましたが、時間的にカットはやむなしですか。かずさの、車も楽器と同じ的なセリフも捨てがたかったのですが。代わりに、雪菜が音楽に合わせて車内カラオケのシーンはオリジナルでしたかね。かずさも評するように、いかにも雪菜らしい楽しいシーンでした。この曲は有名だし僕でも聞いたことあるなあ、と思いましたが、SPEEDの「White Love」ということ。森川由綺や緒方理奈といった作中世界の歌手だけでなく、現実に存在している人気曲が登場すると、またリアリティが増します(そういえば雪菜は以前も中島みゆきを歌ってましたね)。


3人の温かい友情の日々。少なくとも、そう信じたかったおだやかな時間。雪舞う中の温泉は、今作序章屈指の名シーンであり、冒頭の屋上と合わせ、学園祭よりもあえて今回に作画リソースを割いたと言われても信じてしまうような重要な回でした。いやま、客観的にはさほど作画が良いとは言えないのではありますが。


「ずっと、こうしてたいね」


雪菜の願いは純真で裏も何もなくて。本当にそうであってほしいと、無理なのがわかっていても願ってしまいます。でも、それが真の幸せかというとなんともというのがますます切ないなあ。