「MiX! オトコの娘はじめました」

タイトルそのまま、いわゆる「オトコの娘」モノですね。著者がコードギアスのノベライズでなかなかの腕を見せていた岩佐まもるさんということもあり、結構期待して読み始めました。

初恋の女の子に男らしくないとフラれた諏訪蘭丸が、空手部に入部しようと飛び込んだ部室は何の間違いか女子新体操部。そこで部長の白鳳院先輩にケガをさせてしまった蘭丸は、どうしても部員を獲得しなくてはいけない新体操部のため、2年生の女の子・須賀蘭として新入生歓迎会へ出ることに。(後略)(「BOOK」データベースより)


まあ、展開に多少の無理があるのは否めませんが、オトコの娘というのは本来無理筋なので、そこは流しましょう。選んだ舞台が新体操部というのはちょっと新鮮ですね。ただ、今のところそれほど深く新体操について触れられているわけではありません。


全体的な感想は「ちょっと軽いかな」。文字通りラノベだからといえばそれまでですが、ギアスのようにとまでは言わないものの、もう少しシリアスよりをイメージしてたので、ちょっと拍子抜けでした。特に先輩達のキャラが作りすぎな印象。良く言えば「個性があって立ってる」ということにもなりましょうが……。あと、お化粧しているとはいえ、友人と話してても気づかれないというのはどうかなあ。まあ、それが無いと話にならないんですが。


ちょっと辛めに書きましたが、それでも機会があれば続きを読んでみたいと思うくらいには面白かったです。考えてみれば、一巻では割と多くの人が蘭が男であるということを知っていたわけで、その辺の緊迫感というか、秘密感が薄かったですからね。彼を彼女と認識している後輩達の登場で、さらに面白くなりそうな予感がいたしますよ。せっかくなので、新体操要素を強めて、スポーツものとしても楽しめるようになるとなお良いなあ。