「涼宮ハルヒの驚愕」
涼宮ハルヒの驚愕(前) (角川スニーカー文庫 た 1-1-10)
- 作者: 谷川流,いとうのいぢ
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/06/15
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涼宮ハルヒの驚愕(後) (角川スニーカー文庫 た 1-1-11)
- 作者: 谷川流,いとうのいぢ
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/06/15
- メディア: 文庫
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さて、言わずと知れたハルヒの最新刊です。入手したのはもう随分前のことなのですが、何しろ3年半ぶり。これを読むにはまず「分裂」から読み直し、ついでに「陰謀」まで遡ってしまったので、手をつけるのが遅れてしまいました。
前回でαとβに分離した世界が今回もほとんどの期間続くので、ちょっと混乱するところ。ただ、それも次第に慣れて、新キャラのヤスミもなかなか良い味を出していて、楽しくなっていきました。あとは朝倉さんの一瞬復活には驚き。ひょっとして、彼女たちには死の概念がないのでしょうか?
どうなることかと思われましたが、2つの世界線が統合されるところの勢いは良かったです。それから最後のハルヒの「驚愕」も。普通だったら大声上げられて警察呼ばれても良いところですが、よっぽどキョンに対する信頼度が高いんだなあ、と思わされました。あと、なんだかんだ言ってもハルヒも普通の女子高生なんだなという生活感も。当たり前ですが、どうも周囲が神だの何だの騒いでいるので、彼女自身の姿が見えにくくなっている感はありますね。
計3巻かけてSOS団の対抗馬になろうという新キャラもたくさん出した割には、お話が広がりきらなかったような気もしますが、まあ、特別期待値も高くなかったので十分楽しかったと言えば言えます。下手すると、これだけ時間をかけて苦しんで、目も当てられない失敗作になっていた可能性もあることを考えると、この水準で出してくれた谷川さんに感心感謝でありました。
ただしかし、今後このシリーズはどうなるのでしょうかね? いい加減終盤的な雰囲気は漂わせてますが、ちょっと収め方が想像つかないです。また次に3年かかっても困りますしねえ。ハルヒがいつまでも蚊帳の外扱いというのは可哀想なので、せめてその辺のカミングアウトがあってほしいと願うところですが。