「機械知性体たちの輪舞曲」が素晴らしかった件

劇場版「涼宮ハルヒの消失」を観て以来、ハルヒSSをいくつかまわってるのですが、輪舞の人さん作「機械知性体たちの輪舞曲」がとにかく傑作。ぐぐいっと心をわしづかみにされてしまいました。


長門有希SSなのですが、タイトルどおり「機械知性体」としての彼女の描写に力を入れています。人間ではない、さりとて機械でもない、「対有機生命体接触用人型端末」。その心情描写は難しかったでしょうが、文章は流麗で読み応えは十分。彼女の変化を見事に書き出していきます。長門視点でつづられる憂鬱から消失に至るまでの展開も、もしかしたら作者よりも深く考察されているのではないかと思われるほどの完成度。


長門萌えな方のみならず、朝倉涼子が気になるという(僕のような)人にも最高。さらに、本編では地味な立ち居地の喜緑江美里まで素晴らしく魅力的なキャラになっており、そのパワーに恐れ入るばかり。僕もSSを傑作良作色々読んできましたが、間違いなくトップレベルの作品でした。ボリューム十分の長編ですが、夢中になって読みふけってしまいましたよ。


完結したのが3年ほど前ということなので、知っている方はとっくに知っている名作なのでしょうが、いまさらでも出会えて幸せな逸品でした。