「涼宮ハルヒの憤慨」

涼宮ハルヒの憤慨 (角川スニーカー文庫)

涼宮ハルヒの憤慨 (角川スニーカー文庫)

シリーズ最新刊。これではハルヒも「憂鬱」「溜息」「退屈」「消失」「暴走」「動揺」「陰謀」「憤慨」ときて8冊目ですか。分かりにくいのでナンバリングして欲しくてたまらないところです。なお、僕のこのシリーズに対する評価はちょっと微妙で、平均以上に面白いのは間違いないものの、「消失」以降いまいち話が進んでいないこともあって、やや惰性的に買っているという感じですかね。


今回は二本立てでしたが、後のほうの「ワンダリング・シャドウ」の方が気に入りました。なにしろ依頼者が普通人というのが珍しく、そもそもSOS団にまっとうな不思議ネタ以来が舞い込むこと自体が珍しい。読んでいて混乱する時間移動も無かったもので、原点回帰の魅力がありました。


結局幽霊騒動を解決したのは今回も長門有希嬢であるわけで、ここまでのところハルヒなんかより彼女の方がよっぽど神に近い万能ぶりであるなあと思わされるところです。無敵すぎて作者としても扱いかねているのではないかと心配になってくるほどですが、大丈夫なんでしょうか。なお、彼女さんの説明によると、どうやら地球での有機生命体文明は極珍しい例であり、宇宙的には情報素子型生命が一般的らしいです。これはなかなか面白い設定ですね。