「ネコソギラジカル 上・中・下」

ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル (上) 十三階段 (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル (中) 赤き征裁VS.橙なる種 (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル (中) 赤き征裁VS.橙なる種 (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

ネコソギラジカル(下)青色サヴァンと戯言遣い (講談社ノベルス)

読了。ということで戯言シリーズ、無事完了しました。いやあ、なんだか最後まで不思議な作品でしたね。


当初は、一風変わったミステリかと思っていました。しかしだんだんそんな感覚は薄れて。キャラが予想外にすぐ死んでしまったり、玖渚の出番が意外なほどに少なかったりと、物語のお約束的な流れを少しずつ外すような展開に独特感がありましたね。それも「いーちゃん」の能力としてメタ的に表現されていますが、完全にメタ化はしないで、あくまで物語は物語として決着をつけられました。


上手く言えませんが、通常のラインの半音上、シャープ線を最後まで安定して走りきった、という印象を受けました。もっとも、最初の「クビキリサイクル」が出たときにどれだけ構想がまとまっていたのかは謎です。色々語り残してる感もありますし(玖渚の寿命のことは後付っぽい気がする……)。


西尾維新さんの作品に触れるのは初めてだったのですが、これが戯言シリーズでの特徴なのか、氏の作品全体の雰囲気なのか、他作品も読んでみたいところです。


それにしても、一応のハッピーエンドは嬉しいですが、やっぱり巫女子ちゃんと姫ちゃんの不在は悲しいなあ……。