「偽物語 上・下」

偽物語(上) (講談社BOX)

偽物語(下) (講談社BOX)

アニメ・化物語が面白かったので、その原作の、後日譚を先に買ってしまいました。まあ、化物語本編はまだアニメが残っているからそちらで……というのは表向きの理由で、実は火憐と月火の活躍が読みたかっただけなんですが。後日譚だけに「つばさキャット」のネタバレが入っちゃうんじゃないかと心配がありましたが（実際、多少はありましたが）そんなこともなんのその。

まず上巻「かれんビー」。火憐が思った以上に運動能力ハイスペックで驚く。加えて、思った以上にアホっぽいキャラだったのでなお驚く。暦とやりあう口の達者さもさることながら、ほとんど超人的な格闘能力で暦をボコボコにするのはインパクト大なシーンでした。おまけに下巻でも歯ブラシとか肩車とかで目立ちまくりですよ。少しは妹さんに出番を譲ってあげてください。

そして下巻「つきひフェニックス」。こちらも楽しかったですけど、ちょっと不満なのは上巻の火憐に比べ、月火が目立たなかったことです。話の構造上しょうがないことなのかもしれませんが、ファイヤーシスターズの参謀として光る活躍がほしかったなあ。というより、ファイヤーシスターズの活躍は暦視点では無理なのかもしれません。こうなったら彼女たちを主人公にした外伝をぜひ！

ひたぎや真宵や駿河や撫子や羽川との雑談ギャグパートもたっぷりで、一つ一つ面白かった個所をあげるのも難しいほどですが、あえて言うとやっぱり真宵ですねえ。さまざまなネタを駆使して、暦との息はばっちり。暦が飛びつきたくなるのも分かります？　ひたぎは上巻で輝いていますが、下巻において出番が全く無いのが惜しすぎる。更生したひたぎさんを見たいよお。

全体的な雰囲気は、化物語のファンディスクならぬファンノベルというところですかね。ちょっとギャグ方面に崩しすぎじゃないかというほどの明るさが感じられました。これはこれでよし。

上にも書きましたけど、ファイヤーシスターズ主役の話が読みたいです。ついでに、瑞鳥君と蝋燭沢君とラブラブなところも見てみたい。いっそその二人視点でそれぞれ彼女たちを書いても面白いかも。