「猫物語 (黒) 」

猫物語 (黒) (講談社BOX)

猫物語 (黒) (講談社BOX)

さて、もはや説明不要の化物語シリーズ最新刊。これまでも折に触れ言及されていたゴールデンウィーク中の「猫」、そして羽川翼の物語。


……の、はずではあるのですが、実のところ一番印象に残っているのは序盤90ページほどが費やされた月火との掛け合いだったりします。偽物語(下)は「つきひフェニックス」と銘打ちながらいまいち月火ちゃんの出番が少ないぞ、という僕のような読者の声が届いたのでしょうか?


ま、本筋にはあまり関係ないといえば関係ないメタ交じりのグダグダ会話なのですが、この兄妹のやり取りが楽しくてしかたない。あらためて、西尾維新さんのセンスに脱帽でした。パンツについて見開きどころか10ページに渡りトークが進むのがすごい。


「お兄ちゃんが不死身だったら私だって不死身だよ」


この辺は逆伏線とでもいうのでしょうかねえ。


しかし、蝋燭沢君について問われた月火が何となく言葉を濁していて、このままでは蝋燭沢君(&瑞鳥君)非実在説が強化されてしまう、とちょっと心配したりもしますよ。個人的には彼らとファイヤーシスターズのラブコメなんかも見たい気がするので(そんな読者は少数派なのかも……)。


で、肝心の羽川&障り猫ですが……困った、書くことが無い。いや、決してつまらないということは無いんですが、良くも悪くも予想以上のものは無かった、気もしますね。ただ、羽川翼の「気持ち悪さ」は確かに了解できるものがありました。


なお、巻末には驚きの続編計6冊発売予定が。さすがに粗製乱造になるのではないかと不安になります。大丈夫ですかね?