その9 暇潰し編終了

ここから先はアニメで見ていないので、今まで以上に面白いです。赤坂が主人公となり、いったん圭一が舞台裏に引くというのは意外性のある作り。まさに闘争真っ最中、内戦とまでいわれる雛見沢ダム反対運動の中、大人である赤坂と大石が中心となることによって、もう美少女ゲームとは言えない本格ノベルの風情でしたね。


主に赤坂視点で語られる、大臣の息子誘拐事件の顛末と、村の行方。今までよりもさらに幼くも、多面的な魅力を漂わせる梨花ちゃんが良かったです。「怖い」というよりもむしろ「悲壮」という言葉が似合うラスト。まだ謎は解けないだけに、今後もさらに楽しみです。前回まではちょっと悪役的だった大石もこの編では頼もしい存在でした。そういう、いろいろな角度からのキャラクター描写が深いと思います。


ただちょっと気になったのは、唐突に視点が切り替わるところ。文中でいきなり一人称から三人称、三人称から一人称にと移り変わり、その一人称も赤坂だったり大石だったりします。ビジュアルノベル文体に固いことは言わないといえ、さすがにこれは変なんじゃないでしょうか。