中日ドラゴンズ優勝に寄せて

遅ればせながらおめでとうございます。合併問題のゴタゴタもあってかすんでしまった感のあるペナントレースですが、見事な優勝でした。正直地味な戦いぶりに見えましたが、そういうところがえてして堅実に強いんですよね。
それにしても、今年のドラゴンズの優勝には監督の評価の難しさ、そして監督とチームの相性というものをあらためて考えさせられました。選手時代から解説者時代を通しての落合さんを見ている限り、あんまり監督として選手をまとめるタイプではないかのように見えましたし、就任後にも「補強不要」をうたい、開幕投手川崎などとやった日には「もう今年の中日はぼろぼろになるのではないか」とさえ思ったものですが、僕の不明だったようです。ちょっとやそっと選手の調子が悪くても我慢して使い続け、一方で若手選手にも次々とチャンスを与える。戦力や戦い方は違えど、どこか一昨年の原巨人の優勝を思い起こさせる起用法でした。
ただ、これがはまったのは今の中日に信頼を生かせるだけの底力があったためともいえるでしょうね。下手なチームでこれをやればただの放任主義になってずるずる落ちてしまったかもしれません。西武やヤクルトで名将と呼ばれた森さん、野村さんがそれぞれ横浜、阪神で苦労したあたりと照らし合わせてみても、監督とチーム・時代との相性というのは大事だなあと思うわけです。落合監督の流儀が来年以降もうまくいくかどうかは分かりませんが、今後名監督として成長していくのか、見ていきたいところです。

ところで川崎憲次郎が引退発表だそうで。結局中日にとっては高い買い物となってしまいましたね。もともと成績の不安定なピッチャーだったので、契約は高評価に過ぎるのではないかという疑問は当初からありましたが、まさか1勝も出来ず終わってしまうとは……。本人が一番苦闘苦悩したことでしょうが、なんともさびしい結果ではあります。