優勝!!!

【西武】10年ぶり22度目リーグ優勝 「獅子おどし打線」でパ制圧…辻監督、8度舞う(スポーツ報知)


理想は昨日メットライフで勝って決めることだったんですが、なんの因果か10年前と同じく札幌で負けての決定となりました。盛り上がり度は欠けますが、まあもうそんなことはどうでも良い。優勝です、優勝。08年以降、何度も何度も力尽き、目の前で胴上げを見せつけられて、「来年こそは」と言いつつも及ばなかった10年。片岡、中島、細川、ボカチカ、涌井、岸、帆足……。何もかも皆懐かしい。


伊原監督、田辺監督の元低迷し、このまま弱小球団になってしまうのかと嘆いていましたが、まさか辻監督がここまでチームを立て直してくれるとは。僕がライオンズを見てきた30年間で、1、2を争う名監督であることは、もう疑いないです(対抗馬は森監督。ただ、ファンに向けてのコメント力では辻さんのほうが上ですな)。


辻さんの現役時代のイメージから、バント多用とか、今のチームに合わない野球をするんじゃないかと心配していましたが、細かさを植え付けつつも、長所である攻撃力を全面に押し出したスタイルには感嘆。チームに合わせた柔軟性を持った監督でした。


昨年2位と下地を作って今年。もちろん巷の優勝予想は圧倒的にソフトバンク。そりゃ僕が予想したってソフトバンクになりましたが、オフにも雄星が抜けるという状況下では、なんとしても今年勝たなくてはならない。正直、ある程度ソフトバンクに故障者等が出てくれないと勝負にならないと思っていましたが、結果的にはサファテと岩嵜の離脱がペナントレースを大きく左右したと感じます。これでソフトバンクに例年ほどの怖さがなくなった。ただ、それだけでは足りません。


「この投手力で勝つには、とにかく打って打って打ちまくるしかない。01年の近鉄いてまえ打線方式だ」


これが僕の見立てでした。まあ、今年だけでなくここ数年ずっとそう思ってたんですけどね。しかし、思うは簡単、実現は難し。そんな都合の良い夢がそうそう叶うものでもない。そう諦めかけていたのですが……夢が正夢になりました。


中心選手の秋山と浅村が、"辻チルドレン"の源田、外崎が、"おかわり2世"の山川が、"打てる捕手"の森が、そしてベテランの中村と栗山が、打って打って走って守って。山賊打線と評されるほどの圧倒的破壊力を見せての優勝。たとえ3,4点リードされていても最後まで勝利が狙える、夢のような打線でした。欲を言えばメヒアと金子にもうちょい頑張ってほしかったのと、愛斗あたりの若手が出てきてくれればというところがありましたけど、そこは今後に期待で。こと攻撃力に関しては、黄金時代を超えたと言っても良いでしょう。


投手陣に関しては、打線の影で目立たないところもありましたが、菊池雄星が昨年ほどとはないとはいえ、エースの役割をきっちり果たし、多和田はローテを守って最多勝ほぼ当確。トレードで加入した榎田の期待以上の熱投、2年目今井の成長。ローテの頭数はギリギリでしたが、よく運用で持ちこたえました。いつも課題と言われていたリリーフ陣では、平井、野田を中心に、小川、ワグナー、マーティン、ヒースの補強組が踏ん張り、最後の最後で増田が復活したのも大きかった。惜しむらくは復活が期待されていた高橋朋己が開幕早々離脱してしまったことと、武隈が低調だったことでしょう。武隈は来季復活してくれると思いますが、高橋朋の故障は心配ですね……。


ともあれ、優勝おめでとう、そしてありがとう。仮にCSに負けてもこの価値は薄れませんが、それでもやるからにはCSを突破し、広島と日本シリーズやりたいですね。どっちも攻撃主体チームですごく面白そう。

西武11連勝でM3、直接対決制し29日にも地元V(日刊スポーツ)

埼玉西武ライオンズ 7-4 福岡ソフトバンクホークス


さすがに決まりでしょう。もし3タテされれば万一もあるかというところでしたが、杞憂でした。秋山素晴らしすぎる。なにより今年の打線は頼もしすぎる。
10年の悲願を果たす時が来たのだ!

「リズと青い鳥」

http://liz-bluebird.com/


瑞々しくて、少し痛くて切ない、少女たちの青春物語。


90分という時間的にも、内容的にも決して大作という感じではなく、中編良作という言葉が当てはまりそうな映画でしたが、心に染み入るような一作でした。


鎧塚みぞれと傘木希美。二人の微妙な距離とそれぞれの歩みを、「リズと青い鳥」という童話と重ね合わせて描くセンスが素敵です。


さらにそれを生かしていたのが、京アニらしい作画力もさることながら、音の良さでしょう。映画館で観るという行為において、自宅のテレビと最も違うのは音響じゃないかと思いますが、最初の登校シーンでの足音と、それに合わせた音楽だけでやられたって感じです。もちろん、一つのクライマックスと言える吹奏楽の演奏シーンでも、劇場のメリットは存分に感じられました。家だとあんな大音量で再生できませんしねえ。


で、物語についてですが、もう余計な口を挟めないような密度でしたので、あらためて語ることもないような気が。でもあえて言えば、二人が「友人同士」であることは間違いなくとも、みぞれにとっての希美と、希美にとってのみぞれは重みが違っていた、ということなんでしょうねえ。それは「大好きのハグ」のところで明確に、そしてみぞれにとっては少々残酷にあらわれてしまっていて。でも、だからといって希美が悪いというものでもなく、二人が喧嘩するわけでもない。みぞれが希美の少し後ろを歩くのも変わらない。ただ、みぞれが少し、希美から離れて羽ばたくことを決めた、そんなお話。良い「ハッピーエンド」でした。



それにしても、なぜスタッフはこの作品に「響け! ユーフォニアム」の名前を冠さなかったのだろう、というのが興味深いところで。最初にこの「リズと青い鳥」のタイトルだけ聞いたときは、まったく別のオリジナルアニメかと思ってましたよ(まあ、それでも山田監督と京アニなら見たでしょうが)。ユーフォの名前を関しておけばより分かりやすくTV版のファンを引き込めたでしょうに。


ただもちろん、制作側だってそんな事は分かっていたことでしょう。それでもあえて外した。あくまで別作品として存在させたかったということと、加えて、ユーフォのTV版を見ていない層にも見てもらいたかったからでしょうか。


考えてみれば、「違う層に見てもらいたい」という思想はキャラデザにもあらわれていますね。どちらかと言うと男性向けの萌え要素が多めだったTV版から、少女小説的な、雰囲気の落ち着いた本作へ。平たくいえば、男性向けのTV版と、女性向け、それもキャラと同年代である少女向けの作品にチェンジした、ということなのでしょう。


興行的にはなかなか大きな賭けであるようにも思われますが、良作なのは間違いないので成功してもらいたいものです。ただまあ、全体的には地味めなお話なので、大ヒットというのは難しい気もしますが……。いや、ほんとに頑張ってほしい。

西武ミラクル逆転サヨナラ 0−8の八回から猛反撃!森逆転サヨナラ二塁打(デイリースポーツ)


埼玉西武ライオンズ 9-8 北海道日本ハムファイターズ


いやあ、すごい試合でした……。8回表が終わって0-8。それも7回8回で7失点ですから、普通に考えれば負けです。普通というか、どう考えても負けです。しかし、そこから2イニングでひっくり返してしまうとは! 興奮の一戦でした。


今年のライオンズ打線は魅力があり、常に「ひょっとしたら」と思わせてくれます。だからこそ見切らずにテレビをつけていたのですが、そこは8点差。「少々追い上げても結局届かないで終わるんだろうなあ」と悲観的だったのも事実です。しかし、今のチームはそんな常識的な予想を超える力と勢いがありました。


最後に決めてくれたのは森友哉。キャッチャーとして、今日の8失点には悔しい思いもあったことでしょうが、それは今後の反省材料として、バットで取り返してくれるのはさすがです。今季は本気で「打てる捕手」の道を歩み始めた22歳。まだまだキャッチングとかリードとかちと怪しいんで、正直確信までは持てないんですが、捕手として大きく育ってほしいものです。

さあ開幕だ!

埼玉西武ライオンズ 11-2 北海道日本ハムファイターズ


ここのところ、とんと野球ネタがご無沙汰でしたが、ファン精神は失ってはおりませんよ。思えばこのオフもいろいろなことがありました。ドラフトは田嶋を外し、FAでは野上を、ポスティングでは牧田を失うことに。しかしまあ、この辺の流出はもうライオンズファンにとっては慣れっこなので、さほどダメージはありません。むしろ人的補償の高木勇人が拾いものっぽいのと、高橋朋己が復活してくれそうなので、穴は埋まるだろうと。そしてルーキーの伊藤翔が活躍してくれればむしろ戦力アップだと。このくらいポジティブにいきたいところです。


とりあえず、開幕戦は快勝。良い滑り出しとなりました。


さて、軽くリーグの戦力分析ですが、今年もパリーグソフトバンクが強い。強いのは間違いありませんが、内川や松田は高齢化。サファテも疲れが出てくるころでしょう。絶対無敵とまでは言えないと見ています。ソフトバンクを追うライバルとなりそうなのは昨年と同じく楽天で、こちらも充実した投手陣を中心に手強そうではありますが、西武が劣っているとも思えません。


オリックスは上位候補とも言われますが、例年下馬評は高いのに転ぶのがこのチームなので……。ロメロ・マレーロのコンビに吉田正の破壊力は怖いのでひょっとしたらとも思いますが、最終的には例年通りと予想。


日本ハムとロッテは今年も難しいでしょう。日本ハムは大谷だけではなく、マーティンも増井も大野も抜きというのは西武以上に痛い流出です。しょうがないので今季は育成シーズン、かと思いきや結構力を入れて外国人選手を連れてきているのが少々不思議ですが、優秀なフロント力がどう発揮されますか。ロッテは、涌井と石川が去年以下ということはないにしても、いかんせん貧打すぎです。


西武の優位はというと、やはり攻撃力。去年の時点でも強力でしたが、今年は最初から山川、外崎、森がそろっているので、うまくハマれば打線だけで勝ち抜けますよ。長年ファンやってますが、これだけ打線にワクワクするシーズンもないです。今年は上位3強がしのぎを削る面白いシーズンが見られるのではないかと期待してます。その中で最後に西武が抜け出せれば良いなと。


ともあれ、今年も野球を楽しめることを感謝しつつ、これから半年を過ごしていく所存ですよ。

結城友奈は勇者である -結城友奈の章- 一気感想

Dlifeで始まった再放送が自動録画されていたのを機に視聴です。そもそもこれまで、Dlifeなるチャンネルが有ることすら知らなかったですが、作品自体は知っておりました。「ゆゆゆ」こと「結城友奈は勇者である」。リアルタイム放送時には多分まるっきりスルーしてたと思います。多分、「勇者である」というタイトルにコミカルなものをイメージしてしまったんでしょう。実際は全然そんなことなかったわけですが。ええと、2014年10月ということはSHIROBAKOと同じ時期ですか。SHIROBAKOってもうそんなに前なのか、と軽くショックを受けます。


1話を見て、おお、これは良作な感じだ、とばかりに毎週待っている気になれず、取り出しましたるはAmazonプライムビデオ。本格的に使用したのは初めてですが、これまでは「PCとかスマホとかじゃないと見るの大変なんでしょ?」という先入観がありました。しかし、PS4のアプリを使用すればTVでも簡単に見られる。しかも、比較の結果Dlifeよりも明らかに画質が良いということで、すっかり感心でしたよ。やるなAmazon。聞くところによるとNetflixはもっと画質が良いとも聞きますが、どうなんでしょうかね。いずれにしてもAmazonプライム会員のコスパの良さは圧倒的ですが。


で、お話です。「讃州中学校勇者部」の面々が世界の危機に本当に変身して戦うことになってしまったよ、というところから、しだいに世界の仕組みが明かされるシリアスな終盤まで。全12話にして中身が濃かったです。しかし、タイトルからはこんなに魔法少女的な話とは想像してなかったですよ。


まず勇者部という物々しい名前は何かと思ったら、実際にはボランティア活動的な部活であったということが冒頭で示されつつ、実はそれは隠れ蓑で本当に勇者となるための人材を集めていたんだよとくる。上手いですね。そして、「神樹様に拝」とか西暦とは違う暦とかで、はっきりとはしないまでも少し不穏な空気を出していくのが良いです。


順調にパワーアップして敵を倒していってというところで、体の不調が出てきたところから一気に不穏な空気に。「大赦」からは治ると知らされつつも、いかにも「これは治らないな」的雰囲気を醸し出していきます。こう言ってはなんですが、風みたいに片目だけならまだしも(とは言え、実際片目が見えなくなったら大変でしょうが)、友奈の味覚とか、樹の声とかは相当にきつい。特に味覚がなくなっては辛いでしょう。


そして明かされる世界の真実。壁の外は人類の敵であるバーテックスたちの領域であり、人類は神樹に「勇者」を捧げることにより生き延びていたのであったと。勇者たちは力を得る代わりに体の感覚を神樹に奪い取られ、いつまでも戦いに明け暮れるだけの日々が待っていると。


この重苦しさと絶望感と言ったら。風が大赦に殴り込みをかけようとしたのも理解できます。というか、むしろそのまま突っ込んでほしかったくらいで。しかし、さらに過激な美森の行動で物語はクライマックスへ急展開。それでも、勇者の活躍により世界の危機は救われ、皆、また笑って過ごせるのでした。めでたしめでたしと。


正直、このままバッドエンド、バッドまでは行かないにしろビターエンドに収まるのかと思っていただけに、最後に一気にハッピーエンドに持ってくる力技には驚きました。嬉しい反面、ご都合主義という言葉がでかけますが、よく考えるとこれは、神樹が美森の反抗に肝を冷やしたということなのではないか、ということで僕の中では納得しております。つまり「まずい、こいつらを怒らせると何をされるか分からん」と恐れた神樹が彼女たちのくびきを解いたのではないかと。身も蓋もない発想ですが、辻褄は合うはず。そう考えれば、いたずらに危機を招いただけに見える美森の軽はずみな行動も、ラストの幸福につながっていたんですなあ。


やっぱり勇者の物語にはハッピーエンドがよく似合うのです。勇者部五箇条! なるべく諦めない!


さて、そんなこんなで存分に楽しませていただきました。全体的な印象としては(散々言われているでしょうが)「ああ、これはまどか後の作品なんだなあ」というもの。まどかを意識というか、影響を受けているのは間違いないんでしょうね。ただ、その上で違いを上げるのならば、彼女たちの絆の強さでしょうか。まどかの場合、割と個々に分散しちゃってましたし。あ、あとキュゥべえがいない(笑)。精霊はいましたが、直接的な悪さはしてませんから。


あえてキュゥべえ的な存在を挙げるのならば大赦ということになるのでしょうが、ここについてはちょっと描写薄かったですね。一応海&温泉旅行をプレゼントしたり、夏凛の転入を認めたりと、最低限の善意はあるようですが、風の言うとおり、システムのことを伝えないで戦わせるのはひどい話と言わざるを得ず。ここは改革してもらわないとですな。


なお、大赦に限らず、大人の存在感の薄いアニメではありました。友奈の両親とか何やってるんだか全然わからない。もっとも、これは狙ってそうしているのでしょう。あくまで中学生女子たちの勇気こそが主題ということで。


原作がタカヒロさん。「アカメが斬る!」好きなんでそういう意味でも波長が合ったかもしれないです。


さて、主人公の話になりますが結城友奈ちゃん。さっき、両親が何をしているかわからないと書きましたが、このネーミングセンスはなかなかです。一見「ゆう」がかぶって下手なように見えますが、韻を踏んでいて呼びやすい。


結局物語を最後に締めたのは勇者の適正値が一番という、彼女の心の強さでした。最初から最後まで良い子でしたねえ、友奈。これが良い子すぎると逆に不自然で嫌味になってしまうものですが、そうならないラインを上手いこと押さえていたような気がしますよ。まあ、一度くらいは一人で落ち込むようなシーンがあっても良かったかなとは思いますが。「おめでとう、そしてありがとう、友奈」です。


さて、これで感想も書けたことですし、次の「鷲尾須美の章」もいってみましょう。幸いそちらもAmazonにあるようですし。それにしても、美森の足とか精霊の数とか記憶とか、上手い伏線だったなあ。うならされましたよ。

震災7年

「まだ7年」か「もう7年」か。


うん、やっぱり「もう7年」ですよね。感覚的には。2011は遠くなりにけり。それでもなお避難生活を強いられている人々がたくさん残っているという事実。誰が悪いとか言うより、自然災害の巨大さを痛感します。それでも、出来るかぎり頑張って復興していかねばならないのでしょうけど。


7年も経ち、被災地以外の地域に住んでいるとどうしても日々の中で忘れがちになってしまいますが、せめてこの日は思い起こしたいもの。こんど東北旅行でもしようかな……。