僕だけがいない街 第12話「宝物」

素晴らしい最終話、素晴らしい物語でした。


黒幕・八代との決着。武器もなく、まともに歩くことさえ出来ない状況で悟がしたことは、仲間たちを信じること。そしてある意味、八代をも信じることでした。屋上から飛び降りようとする悟は、もちろん下で自分を受け止めてくれる友人たちを信頼していたことでしょうが(実際やるとなったら、どんなに仲が良い友人がいても怖すぎると思います)、同時に、八代が自分を止めることをも知っているかのようでした。かつて、一瞬だけでも悟にとっては父親のような存在だった八代。その絆が全くの幻影ではなく、八代の方にも少しは残っていたのだと、それを感じさせてくれたのは嬉しかったです。八代を敵として倒すのではなく、彼をも救った。すごいよ、悟は。


僕だけがいない街」。みんなが悟のためにかけてくれた時間と思いこそが宝物。まさか、このタイトルがこんなに前向きで力強いものだったなんて。


そして、恐怖と後悔の日々を乗り越えて、平和で幸せなエピローグへ。元気な仲間たち、マンガ家として順調な悟。そう、でも誰かが足りない。そう、愛梨がいないじゃないか。視聴者がそう感じて仕方ないところに、再びの出会い。


「僕は信じてた」


感涙。良かった良かった。


原作の良さもあるのでしょうが、アニメとしての出来も高レベルでした。それもノイタミナの短い尺の中で綺麗にまとめてましたね。見て良かったです。


ところで、最近今作の実写映画化について知り、少々驚きました。いや、実写が必ずダメというわけでもないですが、これだけアニメの出来が良いと、どうしても比較されて難しいと思うんですよね。進撃の巨人なんかもそんな感じでしたし。やっぱり今の日本はアニメ文化優位じゃないかと、アニメファンの贔屓目的には思ったりするわけです。