僕だけがいない街

原作をある程度既読なので、まあ見ないでも良いかなと考えていたのですが、見ると目が離せなくなりますね。原作力の高さのみならず、アニメとしての出来も良いです。


特に唸らされたのは、2話の、悟が自宅に帰った時のシーンです。約20年ぶりに見た、かつての自宅の姿。そこに秘められた、懐かしさと切なさの入り混じったような感情を、説明ゼリフ抜き、構図と表情だけで存分に伝えてくれました。これは見事。子供時代はシネスコの縦横比となり、視点が違って見える演出もポイント高いです。


聞くところによると、原作ラストまでアニメ化するそうなので、これは中置半端なところで原作が止まっている自分は、ますます見なくてはならないようで。


それにしても、昭和63年かあ。視聴者の中でも「生まれる前だな」という人と「懐かしいな」の人が分かれるでしょう。前者のほうが多いかもしれませんが、僕は懐かしい方で。ドラクエ3、発売日に母親に買ってきてもらったものです。ちなみに発売は2月11日。ということで、作中で話題になるのはまさにタイムリーなのですな。


もし自分が過去に戻ったら。株で大儲けできるな、というのは置いといて。でも性格とか行動は結局大して変わりないんじゃないかという気もします。それとも、悟のように勇気を持って変える努力をするかな? いずれにしても、クラスの座席のみならず、人間関係やら授業の受け方やら、全然忘れていることでしょう。子供時代は遠くなってしまった。それを残酷にも気づかせてくれる作品でもあります。