Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 第21話「answer」

士郎とアーチャーの戦い、ついに決着。原作プレイ時は、その勢いに熱くなりつつも、「一応ただの人間の士郎がサーヴァントに勝っちゃって良いんだろうか?」という一抹の疑問を残した場面でしたが、今作では、アニメの動きのゆえか、演出の勝利か、納得できるものに仕上がっていました。自らの立ち位置を決意した士郎。固有結界の空が明るく塗り替えられていくシーンはまさにアニメならではでした。アーチャーも、本気を出せば勝てたのでしょうが、どこか納得して剣を受けます。ふむふむ。


さてしかし、今回の真の主役は、実はギルガメッシュだったかもしれません。2人の戦いを見届けると、悠々と登場。その後長々と聖杯の正体について解説してくれます。要するに、聖杯とはただ莫大な魔力を貯める仕組みに過ぎず、そのうえ汚染されているという悲しい事実。これではなんのために呼び出されて頑張ってきたのか、セイバーにも衝撃だったことでしょう。


今回のギルガメッシュは凛を「遠坂の娘」と呼んだり、言峰の死を残念がったりと、濃厚にZeroからの影響が漂ってました。感傷はわずかではあったのでしょうが、一応10年に渡り愉悦を楽しんできた言峰の死は、彼にとっても気を落とす出来事だったのですなあ。こういうちょっとした描写の上手さに感心します。


あとはセイバー。士郎とアーチャーの戦いの最中、自身の得られなかった可能性を幻視した彼女。UBWルートの中で出来る限りセイバーの救済も描こうとしているのが伝わってきます。とはいえ、やっぱり基本が凛ルートなのでちょっと無理気味な感はありますが。そもそも士郎はまだセイバーの真名も知らず(ギルガメッシュにも妙に詳しかった士郎なので、「ブリテンの王」だけでピンときたかもしれませんが)、前回の聖杯戦争で切嗣のサーヴァントだったことも知らないはず。その辺、次回あたりの2人の会話シーンでのフォローに期待しておきます。