Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 第18話「その縁は始まりに」

明かされるアーチャーの過去。正義と理想のために戦い続けても、やがて理想に裏切られて絶望するその人生。ある意味当たり前ですが、それは切嗣の生き方の相似形でもあるのですな。ただ切嗣が士郎に夢を託していったような、そんな存在がアーチャーにはなかったのでしょう。まあ、切嗣の言葉も(本人にはそのつもりはなくとも)、結果的には士郎を縛ってしまったわけで良し悪しではあったのですが。


凛とセイバーの契約は原作で見た時に「おおっ!」て感じでした。それまですっかり「士郎&セイバー」の組み合わせが頭のなかで確立してるわけで、それをひっくり返すのが痛快かつ驚きでしたね。セイバーが凛の充実した魔力でパワーアップしているので、最初からこのコンビだったらどうだったかと、誰もが考えちゃうところではありましょう。


そしていよいよ、タイトルともなっている「Unlimited Blade Works」のお披露目です。以前のアニメよりも英語が上達していたアーチャーの詠唱とともに広がる固有結界。ここの色使いは素晴らしく、ufotableさんの美術力を存分に堪能できるところでありました。……が、ここでのAパートとBパートの飛び方はあまりに唐突というか、無理があって残念。BDでは補完されるのかもしれませんが、もうちょっとうまくやりようがあったのではないかと思えてなりません。


全体的に、十分以上のアニメ化だとは思う反面、やや盛り上がりに欠ける感じがするのは、原作の燃え文章力が高過ぎるがゆえですかねえ……。しっとりシリアスも良いですが、もうちょっと演出とか音楽とか、わかりやすく派手にしても良いのになあ、という願いはあります。これからクライマックスに向けて見せてくれるでしょうか?