SHIROBAKO 第22話「ノアは下着です。」

pixivのSHIROBAKO小説を読んでいると、次第に「みゃーエリ」に毒されていきますなあ。しかし個人的には「ナベ宮」も捨てがたいと思うところ。


さて、いよいよ佳境にして、今回も盛りだくさんの内容であったSHIROBAKO。何がメインだったかと言われてもよくわからないような、それでいて面白いことは間違いないというエピソード。これはまさに木下監督が言うところの「みんなが主役」というところでありましょうか。


印象的だったのは屋台おでん屋での堂本さんと新川さんのコンビ。この2人が仲良かったのも意外でしたが、堂本さんに中学生の息子さんがいるとは驚きでしたね。ということは、新川さんも同年代くらいなのかな。実はこれまで今作、おじさんの活躍は目立つけどおばさんはそうでもないなと思っていたのですが、その評価を覆さなければなりません。息子の将来をめぐってのママ(新川さんはママじゃないかもですが)会話が面白い。お小遣い全部ラノベかあ。そりゃやっぱり、蛙の子は蛙でしょう。



また、そんな母親的な部分は置いておいて、動画検査や色彩担当として、また別の視点からの論評が面白かったですね。制作の連携が取れてないと愚痴りつつ、飲み交わす2人。あおいの頑張りは認めながらも、彼女のたてたスケジュールを「夢」「夢ではあるけれど願望」とばっさりというのが、さすがにベテランですねえ。いつものあおいたちからの風景だけでなく、ここでこういう脇キャラの語りを入れてくるのがほんとうに上手いし、世界の広がる作りです。うなりますよ。


そしてその影で、暗い表情で「アイドル声優」の番組を見つめるずかちゃんの描写。


「じゃあ代わってあげようか……」


お酒を飲みながら、明らかに妬みを込めて語る彼女の姿が痛々しいというか、寂しかったですねえ。これは並のアニメの美少女ヒロインにはなかなか出せない重暗さです。これまでしずかは、少なくとも表に見せる顔はいつも前向きで、元気なものだったんですけど、やっぱり辛さを抱え込んでしまっているんだなあと。頑張れ頑張れ。いや、頑張っている人に対して頑張れはきついか。じゃあグッドラックで。


さらに太郎と平岡の話も。太郎も一応「打倒宮森」という野望があったのか。別に何も考えてないかと思ってました。一方、平岡の過去の情景も。最初に入ったところが悪かったというか、でも、こういう乱暴な会社も実際結構あったりするのかなあ……。太郎がなぜそこまで平岡にくっつくのか良く分かりませんが、きっと相性の良さを感じたんでしょう。ほぼ一方的にですが、良いコンビになってきました。あとは平岡の活躍シーンがあればなあ。


でもって、ようやく絵麻の話にいけます。ほんと盛りだくさん。一部作画監督の話しに悩みながらも引き受けた絵麻。杉江さんの言葉がまた重いですねえ。チャンスを掴む握力こそが才能。作中だけでなく、現実でも噛みしめたいような言葉です。


「私、アニメーターで食べていけると思う。だからもう、心配しないで」


1話冒頭で示されていた、親の反対。それにようやく一つの区切りがついた、そんなセリフでした。多分絵麻の物語は、これで一旦完結したんだと思います。もちろん、これからのアニメーター人生でまたいろいろなことが起きてくるんでしょうが、今作における流れは綺麗にまとまりました。


最後はまたしても原作者サイドからの無茶リテイクが。いやもう、断っちゃっても良いと思いますよ、これ。むしろ断るべきでしょ。当然、次回そういう意見も出るんでしょうが、ナベPや社長はどう判断するのか。ああ、毎回楽しみすぎて次回が遠い。