SHIROBAKO 第16話「ちゃぶだい返し」

ムサニを激震させた原作者の要求は「何か自分の絵と違います」という曖昧極まりないものでした。さすがにアニメ化そのものやスタッフ・キャストに対しての文句ではありませんでしたが、これにより作画作業は完全ストップしてしまうことに。編集者の無責任ぶりもさることながら、リテイク要求するにしても、もうちょっと具体的に言ってくれないとどうにもですね。もっとも、好意的に考えると、原作者も感性優先でマンガを書いていて、どこがどう違うのか理屈では分かっていなかったのかもしれませんが。


この状況で一番波をかぶるのは、当然キャラデザの井口さん。やり直しにやり直しを重ね、奮闘しますが、OKは出ません。絵麻のような若手だったら心が折れてしまうんじゃないかという窮地でしたが、それでも前向きさとやる気を失わないのがさすがに年季の違いでしょうか。


とはいえ、さすがに行き詰まっているところで、ゴスロリ小笠原様が手を差し伸べるのでした。この手助けのしかたがすごい。自分が描くなんて安易なことは当然しません。サポートが足りないと監督やプロデューサーを叱りつけます。いや、監督やナベPももちろん、井口さんの心配はしてたと思うんですよ。原作者との連絡もとろうとしていた。でも、それ以上のことをしていたかというとそうでもないわけで。この指摘は何故か視聴者にとってさえ耳に痛いです。


さらに、飲みに行こうと言い出す彼らに対してもピシャリ。いやもう、この貫禄はどこから来ているのでしょうか。以前から年齢不詳なゴスロリ様ですが、ひょっとしてこの中で一番年上だったりします?


飲みではなく連れだした彼女の「オアシス」は、なんとバッティングセンターでした。ゴスロリ服を着せられるかと想像する井口さんも楽しかったですが、小笠原さんの、ガッツ小笠原並のバッティングと、水原勇気ばりのピッチングが圧巻でしたね。というか、制作スタッフは小笠原の打撃フォームがやりたくて、わざわざ舞台をバッティングセンターにしたんじゃないかという疑いが出ますよ。


そして語られ、明かされる小笠原さんの過去の姿。すごい普通な見た目で驚きます。彼女にもリテイクに苦しみ悩んだ日々があった。だから、自分を守るためにゴスロリ服を身にまとったのだと。そうだったのか〜。戦闘時ではない、彼女の自宅での姿がちょっと気になるところでもあります(あの髪はカツラなのでしょうか?)。この体験談は、井口さんにも、すごい励みになったというのがよく伝わってきましたねえ。


ラスト、井口さんは小笠原さんに倣った戦闘服(袴)で気合も入れて、無事に原作者のOKも出ました。ありあも笑ってくれて、良かった良かった。結果的には、原作者も言葉足らずなだけで、注文自体は正しかった、と言うことですね。さすが原作者。ただ、多分、アニメ制作のスケジュールは分かってなかったんでしょう。ええい、これというのもあの編集者が悪い! 今回に限ればめでたしですが、一ヶ月の遅れは大きい。果たして「三女」はぷるんぷるんしないですむのか? 先が気になるばかりです。