ユリ熊嵐 第4話「私はキスがもらえない」

おお、ここでこういう話を入れてくるとは。ここまで、「クマの片方で、髪の毛が茶色い方」「なんかにぎやかし要員?」的なイメージばかりだった百合ヶ咲るるの、意外な過去の物語。


昔々、と言っても、断絶の壁が出来る前の、ほんの10年ほど前のこと。るるはクマ王国のお姫様でした。クマの王国なんてものがあったのがそもそも意外ですが、幾原監督のことなので、これもどこまでがイメージ映像なんだかよく分かりませんね。


弟王子のみるんを妬み、何度も殺そうとするるるは、間違っても品行方正とはいえませんが、そのたびに戻ってきてはちみつを差し出し、キスを求めるみるんが、健気でもあり、意味深でもあります。弟を嫌い、毎回はちみつを投げ捨てていたるるでしたが、みるんの突然の事故死は彼女を鬱々とさせるのでした。ハチがブンブンうなっているのはるるの心のトゲを表すものであり、さらにみるんの事故死がハチに刺されたというのとも関連しているのでしょう。事故死ではあっても、根本的にはるるが殺したのだという表現かも。


そしてある日、はちみつを届けに来た銀子と出会い、彼女とともに人間界に行くことを決意するるる。それは、もはや自らが果たせない願いを、銀子に託す旅でもあったのでした。


「私は最初からあなたが大嫌いで、最初からあなたが大好きだったんだ」


数回前から流れていたこのセリフ。るるのみるんに対するものだったんですねえ。スキを諦めずにキスを諦めたるる。なんだか悪役っぽいイメージだったのに一気に感情移入が進んじゃいました。演出面では、獣人っぽい格好と、まるきりクマな格好と、使い分けされているのも面白いところ。さて、これはどういう使い分けなのかな。