ソードアート・オンラインⅡ 第23話「夢の始まり」

ユイ用に作成していたシステムで、ユウキを学校に「連れ出す」ことに成功したアスナでした。ちょこちょことシステムを作ってしまうあたり、さすがのキリト君ですが、驚いたのは部活仲間がいたことです。何でも一人でやってしまうのがキリト流というイメージがあったので、ちょっと意外な姿でした。しかも珍しく男友達、というとキリトに怒られるかもしれませんが。


肩にカメラを担いだ珍しい姿で当然クラスの注目を集めるアスナでしたが、印象的だったのはちょっと弱気で引っ込みがちに見える彼女の表情でした。特別クラスメイトと仲が悪いというわけでは無さそうでしたが、かと言って積極的に仲が良いという感じでもありません。アスナが一番最初に近づいた子たちは、おそらくクラスで一番親しいレベルの子だと思うのですが(だから近づいたんでしょうし)それでも「結城さん」呼びなのがそれを示しているかと。


仲間の前とは違うとはいえ、仮想世界にいる時は元気で前向きなイメージが強いので、やはりここは意図的な描写なんだろうなと思います。もっとも、仮想世界でも当初のアスナは結構暗かったですかね。結局、こっちの性格のほうが地なんでしょう。


なお、本筋とは関係ないですが、この学校の生徒はみんなSAOの生き残りなんですよね? なんか全然そんな雰囲気感じませんでしたが。暗い思い出なのかもしれませんが、SAO時代の話なんかするんでしょうか? アスナやキリトはその点有名人なはずですけどねえ。


ユウキの思い出の家とアスナの決意。アスナは自らの世界に母を導き、そこで夢を語るのでした。


「私、周りの人達みんなを笑顔にできるような、そんな生き方をしたい」
「疲れてる人を、いつでも支えてあげられるような。そんな生き方をしてみたい」


ああ、やっぱりアスナは強いんだな、と、そう思わせてくれる言葉でした。母親が言うように、それはすごい大変な道だと思うのですが、きっぱりと「覚悟がある」という彼女がすごい。この「マザーズロザリオ編」のエピソードは、これまで完璧ヒロインじみていた彼女が、人間的な面も持った、でもやっぱり強くて魅力的なヒロインであるということを伝えてくれていますね。


サブタイトルはユウキにとっての、そしてアスナにとっての夢の始まり。派手な動きはなくても、しっとりとした良いエピソードでした。