SHIROBAKO 第9話「何を伝えたかったんだと思う?」

いやあ、ホント毎回の人間ドラマが素晴らしい。感嘆です。今回のメインはこれまで焦点の当たっていなかった藤堂美沙。


3DCG会社に入ったものの、毎日毎日車のホイール仕事で、不満と不安が募る美沙。福利厚生やお給料は良く、社長や社の雰囲気自体も悪くない。条件だけ見れば十分良い会社なのでしょうが、何年経ってもこのままなのか……。あおいや絵麻、しずかのように、不安定だったり激務だったりするのとはまた別の方向性での悩みですね。これはこれで分かるなあ。どちらかと言うと、あおいの姉であるかおりに近い悩みでもありましょう。もしかしたら、世の中大抵そんなものかもしれない、という気もしますね。ルーチンで安定か、大変でやりがいかのトレードオフ(まあ、大変でやりがいのないのもあるでしょうけど……)。


ただ、やる気がいまいちでも評価されるというのは、美沙の能力の高さなんでしょうし、 しずかが「み〜ちゃんも仕事頑張ってるんだね」と言うように、本人の自覚のないところで知識も身についていっているようです。ここで、あえて車のCGに集中するという道も、それはそれでありでしょう。それとも思い切って転職を目指すのか。ただそれも社長の諭したように、自分の将来像がしっかりと描けてこそ、と。ああ、なんか社長の言葉が僕にも重いです。やっぱりこの社長、有能な人なんですね。


進んでいるのか、空回りしているのか、誰もがそれぞれ悩みを抱える青春事情。みんな良いキャラで、応援したくなります。


さて、場面は変わってムサニ。青春は通り越したはずですが、悩みを抱えている木下監督です。一応シナリオでは決まっていたラストも変更したいと、またまた言い出しました。


「これ、あかね達絶対助からないよね」
「でもさ〜、だいたい日本に空母なんてないよねえ」


至極もっともな自己ツッコミには苦笑。いやいや、それ最初からわかってたでしょうに。


これじゃ一体いつまでかかるか分からない、そんな危機でしたが、ここで救いのアドバイザーが現れました。シナリオライターの舞茸しめじさん。名前はあれですが、ベテランライターらしい風格で、次々と監督の思いを引き出していきます。すごい。


そしてついに目覚めた監督。あふれだすラストのイメージ。いや、これは確かに感動的な最終回です。空母から飛び下りるなんてのより数段良い。本気で見てみたいと思わせる出来じゃないですか。なんでもえくそだすっ!の1話はBD収録されるそうですが、この際最終話もぜひ。そしたら買います(多分)。


コンテは完成したとはいえ、残り時間はわずか。果たしてえくそだすっ!の行く末やいかに!? 頑張れあおい! でも頑張りすぎて倒れないように。