SHIROBAKO 第8話「責めてるんじゃないからね」

いやあ、仕事の大変さの中にも人の温かさを感じる良い話でしたねえ。


真面目だからこそズルズルと落ち込んでしまう絵麻ですが、真面目に頑張ってるからこそ、先輩たちも心配してくれるのです。井口の「聞くは一時の恥」を振り払ってしまった時は、ああ、意地を張ってどうなることかと心配しましたが、「若いなあ」ですませてくれる井口さんの懐の深さに感謝。もしかしたら食べてたドーナツ効果かもしれませんけど。


そして、杉江さんも、直接ではなく井口に絵麻のことを頼む。ここも大人の味わいですね。煮詰まって、目線が狭くなっているところを広げる散歩。代々受け継がれている原画のオススメの公園というのがまた、ムサニの歴史と人情が伝わります。これで元気を取り戻して、良い顔で仕事に集中する絵麻なのでした。頑張れ、と素直に応援したくなります。


今回、あくまで原画仲間での人付き合いであって、あおいが知らない間に絵麻が立ち直っていく、というのも一つ見どころでしたね。これまでも原画チーム内で会話がなかったというわけではないでしょうが、絵麻にとってもまた一つ、世界が広がった日だったのではないでしょうか。


余談ですが、社外だけでなく、社内の同僚相手でもちゃんと「安原さん」という呼称にするんですね、あおいは。まあ、相手が目上なので当然といえば当然かもですが、そういうところのキッチリ感があおいらしいと思いました。


さて、絵麻の話だけでも十分に楽しいのですが、本作の奥深いところはさらに、あおいの姉であるかおりの話も同時に進行しているところですね。それも違和感なく、仕事の大変さと夢と気分転換という流れをつないでいます。信金づとめで日々疲れ気味のお姉さん。まあそんな時は、ぱーっと都会で遊ぶ。それもまた良しでしょう。


「姉ちゃんさ……もう良いの? 大丈夫?」


ちゃんと姉の辛さに気づいていたあおい。以前、あおいは長女っぽく見えると書いたこともありますが、ちょっと撤回です。ここでのあおいはしっかり、姉の心配をする妹の顔でした。基本絵麻の話であるのに、最後にこれを持ってくるところが上手い、ぐっと来ました。お姉さんも頑張れ。


余談その2ですが、ドストエフスキー。面白いといえば面白いんですが、みんなセリフが長いんですよねえ。あれだけ喋ってたら時間はかかるし喉は痛いだろうし、聞いている方もやってられないだろうと思ってしまいます。まあそこが味といえば味なんですが。カラマーゾフとか昔一応読んだんですが、大分忘れているので、また読みなおしてみたいなあ。