ソードアート・オンラインⅡ 第19話「絶剣」

どうやら今回のエピソードは本当にアスナが主人公のようですね。登場以来、剣技優秀にして頭脳明晰、容姿端麗。人当たりの良い性格に加え、実家はお金持ちのお嬢様という、よくも悪くも完璧超人的な印象がつきまとった彼女。しかし今回は、そんな彼女の等身大の悩みが見えてくるお話でした。


しっくりいっていない母子関係。SAO事件によって遅れた2年間と、通っている学校のレベルについて口うるさい母親に、アスナは辟易としているのでした。ここで着目したいのは、必ずしも母親の見方が間違いとは言い切れない点です。無理なお見合いを進めるのはともかくとして、今からでもレベルの高い高校、そして大学に向かったほうが将来の可能性が広がるというのは一理ある。あと、宿題は自分でするものというのも正しいなあ。まあ、そう思ってしまうのは見ている方が大人になってしまったからかもしれませんけどね……。また、少なくとも母親は、アスナに「能力がある」ということは認めているようで、能力があるのにそれを活かそうとしていない(ように見える)アスナに苦言を呈しているのでね。


ただ、それが本当に娘のことを思っているのかというと疑問。かつて須郷を引きあわせた点についてアスナが問うと、「あの人を気に入ったのはお父さんですよ。人を見る目がないのよ、昔から」と言い放ちます。この調子では、どうも夫婦仲も怪しいですなあ。というか、その見る目の無さで妻を選んだのではないかと突っ込みたくなります。


「血盟騎士団の閃光アスナは、もういない」


自分の弱さに落ち込むアスナなのでした。考えて見れば、我々視聴者が見てきたのもほとんどはゲーム世界の中での「アスナ」であって、現実の「結城明日奈」についてはほとんど知らなかったのかもしれない。いまさらのようにそんなことを思わされます。


日が変わって、噂の絶剣との対決がやって来ました。その正体はなんと年下の女の子。EDに出ていた子ですね。最初見た時は「もしやキリトさんがGGOでの女装に飽きたらず、幼女化までしてしまったのか」と恐れおののいていたものですが、さすがにそれはなかった。良かった(笑)。


2人の対決は作画的にも気合が入っていましたが、次第に本気になっていくアスナの姿が印象的でした。


「たった一合で諦めていたら剣士の名がすたる」


剣士でいられない弱い自分を嘆いていたのに、自然に出てくる剣士としてのプライド。もしかしたら、彼女は自身が思うよりもずっと強くて、根っから剣士なのかもしれません。いや、むしろそうでないと、なぜ初心者のはずの彼女があそこまでSAO世界で強くのしがったのか、その説明がつかないのではないでしょうか?


絶剣との対決で気に入られたアスナは、空中で頼み事をされます。果たして絶剣ことユウキちゃんは何者なのでしょうか? 名前が名前だけにアスナとの関係も気になるところです。実はアスナの母親とかだったりしたらすごく驚きますが、まあ無いか。


それにしても「マザーズ・ロザリオ」かあ。今回の話を見た後だと、アスナの母親の重い期待=十字架みたいな解釈もできちゃいますが、まだ決めつけるには弱いですかね。それに、母といえば、アスナもユイのママだったりするんですよね。その辺も関わってくる意味合いなのかも、と想像したりします。