Fate/stay night [Unlimited Blade Works] 第5話「放課後に踊る」

今回は士郎と凛の戦い。そして、学校横の林でのライダーとの対峙が主に描かれたエピソードでした。冒頭の士郎と切嗣のやりとりは、ZEROを思い起こしつつ見るとなお感慨深いものがあります。


さて、で、凛です。のこのこと学校に出てきた士郎に呆れたり怒ったり。夕刻の階段で立ちはだかる彼女は、作中の印象的なシーンの一つですね。これまで、どう見ても「人としての凛」は、士郎を殺したくはなさそうであり、できるかぎり正当化する理由をつけて回避してきました。……が、さすがにこの状況では「魔術師としての凛」の意識が士郎を見逃すことは不可だったのでしょう。


もっとも、ここで凛がどの程度本気だったのかはなかなか難しいものがあります。映像を見る限り、かなり強力な攻撃をしていて、「当たれば死んでもしょうがない」レベルには見えます。とはいえ、悠長な会話をしながらの戦闘なので、全力で殺しにかかっているわけもなさそう。士郎が戦意喪失して降伏すれば良し、あるいは攻撃があたったところで、令呪を奪った後に回復ができるという目算もあったのかもしれません。いずれにせよ、ライダーとの戦闘の後に、絶好のチャンスであるところ、あわてて士郎の手当をするのが彼女の本心であることは間違いないのでしょうね。


それにしても、凛との戦闘中も、そしてライダーと接触しても、なぜ令呪でセイバーを呼ばないのかと言いたくなる士郎です。確か原作ではここで令呪を使うとバッドエンドだったとも思いますが、そんな意地悪な構成はともかく、常識的に考えればここはセイバーを呼ぶべきであろうと、思わずにはいられないのでありますよ。


最後は遠坂家で魔術師の家系というものについて語る凛。凛というキャラクターは結構、魔術師と普通の女子との間で揺れ動いている部分があるなあと、あらためて感じました。これも時臣が早世したが故でしょうか。そのバランス感覚が、視聴者からすると親しみを感じられる部分でもあるわけですが。普通の親であろうとした切嗣に育てられた士郎に対する羨ましさみたいな感情と、あくまで魔術師としての誇りを全うした父である時臣に対する誇り。それが同居した微妙な感情が伝わってきました。