宇宙戦艦ヤマト2199 第10話「いつか見た世界」

メルダの調査により、DNAレベルでガミラス人と地球人が同一人種であることが判明しました。「やはり」というところではありますが、一体なぜそんなことが起きるのか、従来の地球人科学では驚天動地の発見ではありましょうが、ヤマトはまず任務優先であるので、そうした疑問も後回しに、航海は続けられます。


しかし、今回はそれ以上に大きな疑惑が、全体に暗い影を落としていました。なんと、メルダの言う通り、先に戦端を開いたのはガミラスではなく地球側だというのです。島は懸命に否定しようとしていましたが、沖田艦長の回想からもそれは事実なのでしょう。そもそも、宇宙人に攻められるなんてことが初めてなのに宇宙軍が存在していたのも不思議といえば不思議ですが、それは置いといて。なぜそんな無謀な攻撃命令を出したのか。謎は深まります。それに何より、それを認めると戦争の正当性に大きな難点が生じてしまいます。知りつつもこれまで地球を守る戦いをしてきた沖田艦長も苦衷の思いであったことでしょうねえ。


ところで、今回の印象的な会話。


「ちょっと意外。よく話されるので。もっと、とっつきにくい人かと思ってた」
「それは、問題ねえ……」


森を評しての山本の言葉はよく分かりますね。一見クールな知的美人で冷たいような雰囲気がありますし。山本にこう言わせたということは、制作側も、森を「そのように見られるキャラ」として造形していることですね。これはなかなか面白いです。