「天使創造すなわち光」

天使創造すなわち光~「少女革命ウテナ」

天使創造すなわち光~「少女革命ウテナ」


90年代後半を彩った怪作にして名作、「少女革命ウテナ」。ストーリーや演出の妙もさることながら、視聴者の心をとらえたのはJ.A.シーザー氏による魅惑的で独特の合唱曲の数々でありましょう。見てない人、聞いていない人は損してる、というレベルのインパクトがありました。


ということで、通常のサントラはそろえて今でもヘビーローテーションなのですが、その中には入っていなかったのが、最終話という美味しい場面で使われる「ミッシング・リンク」。その曲を収録したのがこのアルバムになります。なんで今まで購入していなかったかというと、「ミッシング・リンク」以外の収録曲は全て他のサントラに収録済みなため。さすがに無駄感が否めなかったのですね。どんな商法だと。


ただ、最近になって、同じ曲と言っても演奏や合唱者が違い、アレンジがかかっていることを知りました。それなら十分価値があろうかと購入に踏み切ったわけです。……まあ、中古ですが。Amazonは中古も品揃えが充実していて助かります。


結論から言うと、買って正解でした。一番お目当ての「ミッシング・リンク」は期待通りに良い曲(まあ、ウテナの合唱曲の場合、雰囲気が独特なので「良い」と形容すべきか迷ってしまうのですが)。早いテンポの歌が多い中で、静かで切ないこの歌は異彩を放っています。この独自感は最終話にピッタリですね。


♪生まれたら死ぬなんて
 生まれたら消えるなんて
 繰り返すなんて
 とても不条理


なんかここの部分は納得しながら聞いてしまいます。


他の歌も、万有引力による合唱とあって、テレビアニメ版の杉並児童合唱団の歌とはまた趣が違って良し(「ミッシング・リンク」はアニメ版の音源と思われます。念のため)。それにしても、当時この怪しげな歌を歌っていた合唱団の子たちはいまごろどうしてるんですかね。合唱団のサイトの「あゆみ」を見たらちゃんと載ってました、ウテナ。「昔ウテナの歌を歌ったよ」みたいな思い出になってると良いです。