「西武 伊原監督が休養 残り試合は田辺コーチが代行(スポニチ)」

「まさかの」か、あるいは「やっぱり」か。1−0で横浜に競り勝ったあとだけに、少し唐突感はありました。ここまでの成績を見るに、その可能性は考えていましたが、実現するにしてももう少し後かと……。なんでも休養は伊原監督側から申し出たということ。開幕2ヶ月ほどでの決断は、球団主導にしては早すぎる感もあり、これは言葉通りに受け取っても良いのでしょう。もちろん球団側としても、ファンからの(あるいはもしかしたら現場からの)不評も承知していたのでしょうけどね。


う〜ん、まあ、僕も伊原監督の采配には不満は多々ありましたし、休養自体は朗報と受け取ってはいるのですが、さすがにいざ発表されてみると少し寂しい気持ちはありますね。伊原さんのライオンズ愛自体は本物でしたし、意欲もチームへの誇りも十分でした。ただ、いかんせん時代の変化についていけなかったというか。黄金期や、あるいは最近ヘッドコーチを務めていた巨人の戦力を基準に物事を考えてしまったのではないかなと。全般的に、今の西武にあった野球ではなかったですし、セイバーメトリクスのような近年の野球戦略を全然取り入れていませんでした。試合序盤からバントとか、リスクの高い盗塁・エンドランの乱用とか。


また、十亀のリリーフ転向や金子のスイッチ禁止等の失敗に代表されるように、選手のタイプを見抜く目についても疑問が残りました。ブルペンの役回りは最後まで何がなんやらでしたし(これは投手コーチの責任もありましょうが)。ボウデンとか豊田とか、使う場所をきっちり決めればもっと働けると思うんですよ。それと、選手に対してのコメントがいかにも辛辣でした。少なくとも文字を通して見ると。昔からあちこちで選手や監督と衝突してきているので、どうしても反感を買ってしまうタイプの人なのでしょう。


しかしまあ、今となっては、お疲れ様でしたと言うばかりです。そのうちまた解説で声を聞けますかねえ……。


代行は田辺さん。黄金時代のいぶし銀ショートが、長年の打撃コーチを経て、代行とはいえ監督の座に座ることとなるとは。清原とか秋山とか石毛とか、黄金時代の派手なスターがみんな出て行った中で地道に指導者としての評価を高めてきたのが期待のもてるところですが、どちらかと言えばコーチとして育成手腕の方に印象があるだけに、監督としてはどうでしょうか。一抹の不安を含みながらも、明後日からの采配に期待です。