バディ・コンプレックス 第9話「カップリングシステム」

ヒナに会うことは出来たものの、過去へ帰る手がかりをつかめずに落ち込む青葉。前回の感想で「なぜ過去のヒナだと思い至らないのだろうか」というような疑問に触れましたが、なるほど、青葉の目的はヒナに会いたいということよりもむしろ、今の疑問や状態を解消したいというところにあったのですね。ヒナが可愛いためについつい恋愛的な感情を連想してしまってましたが、そう考えて見なおせば分かってきます。なじんだような顔をしていても、いきなり70年後で、しかも戦闘パイロットでは青葉のストレスたるやかなりのものがあるでしょう。ヒナに会って話を聞きさえすれば分かると思っていたからこそ、彼女にこだわってきたと。


落ち込んでいたこともあり、些細な事からディオと取っ組み合いのケンカになってしまいました。これはどっちか言うとディオのほうが文句をつけすぎのような気もしますけどねえ。しかし、それでもいざ戦場となると抜群の相性を発揮。普通、ケンカしているとシンクロ率だかが下がるパターンなのですが、そんなことを物ともしないのが今作の面白さです。


「え〜、はじめからずっとあんな調子だったじゃない」


艦長のとぼけた言い方が例によって鋭い。この艦長がいるから安心できるってものです。一方で、ゾギリア側にはなんだかだんだん同情したくなってきました。「カップリングシステムの時間切れを狙う」という作戦自体はかなり適切なものであったのに、理論値をも上回る持続時間って……。ガラントの思惑はともあれ、マルガレタが死ななかったのにはちょっとほっとしてしまいました。もっとも、プライドの高い彼女だけに、これから暴走して結局死んでしまいそうな雰囲気ではありますが……。好きなキャラとは言わないまでも、せめて一度くらいはかっこ良いところがあっても良いのではないかと思う次第です。


今回登場して悲しいかな早くも退場となってしまったフェルミ博士。フェルミといえば、現実にもフェルミ粒子に名を残す偉大な科学者がいますが、そこから取ったネーミングなのでしょうね。カップリングシステムとタイムリープ。少しだけ繋がる部分も見えてきたようですが、どうなりますか。最後の「ナイスカップリング」は、本来ならギャグにしか聞こえない単語が、少しばかり感動的に感じられました。