ちはやふる2 第25話「ふじのたかねにゆきはふりつつ」

激闘が終わり、そして新たな一歩へ。


大会も終わったことで、エピローグ的な構成でまとめるのかと思いましたが、さにあらず。最後まで密度の濃い展開で押し進めてくれました。まずは千早の指。単なる突き指かせいぜい軽い骨折かと思っていた千早の指は、内軟骨腫という難病でした。恐怖に震えながらも、かるたのために手術を全身麻酔を含む手術を決心した千早が実に「らしい」です。ここの雰囲気や表情が上手い。こちらにも本気で怖さが伝わってきますよ。


一方で、肉体的な故障とともに千早を襲っていたのが、自らのかるたの力に対する焦りでした。新とクイーンとのハイレベルな戦い。特に、自身には真似できない、新の余裕すら感じさせる表情に「壁」を感じたのでしょうね。ここまでがむしゃらにやってきて、それなりのハイレベルに到達した千早ですが、だからこそ見えてくる限界。ただ、そこで立ち止まる彼女ではないでしょう。藤崎顧問の桜沢先生というあらたなるアドバイザーの知見や、新の言葉をヒントに、さらに突き進んでくれるはずです。


そしてまた今回は、今作の底流として流れている三角関係にもスポットが当たりました。千早が新のことを好きなのは本人も認めているとおりですが、その「好き」がどのレベルの感情なのかは、はっきりしない部分もあります。とはいえ、現状ではどうみても新のほうが有利なのは間違いなく、奏の応援を受けた太一がどこまでアピールできるかが3期の注目となりそうですね(もう3期があるものと決めてかかってます)。


「頑張らないと部長!」
「千早ちゃんきっと、いつまでもアンポンタンじゃないですよ!」


熱いエール。奏にとってはよく知らない新よりも太一のほうが優先されるのは当然といえば当然ですか。しかしこれまでアンポンタンだったのが前提って……(苦笑)。


ともあれ、今期も期待通りに素晴らしい作品でした。全体的な充実度から言えばやっぱり小学校の時の出会いや、部員集めが入っていた1期のほうが上だった気もしますが、些細な差です。原作とアニメスタッフにあらためて感謝を。上述しましたが、3期も期待しております。


ところで、今回は久々に千早姉の千歳も登場してましたね。今のところ、彼女については物語上いまいちその存在意義が乏しいような印象があるのですが、今後なにか重要な役を担ったりもするのでしょうか? もちろん、これは千早の物語なので姉は背景的脇役といえばそれまでなのですが、女優という美味しい設定を持っているだけに、なんとなくもったいない感はありますね。