とある科学の超電磁砲S 第12話「樹形図の設計者(ツリーダイアグラム)」

もはや計画を止めるにはその大本、学園都市の頭脳たるツリーダイアグラムを止めるしか無いと思い定めた美琴。寝起きに飛びついてきた黒子に対する、優しくも諦観の入り混じった表情が切ないです。


「みんな、私の友達だったからって変な目で見られないといいな」


と、これまで以上の悲愴な覚悟。朝の夢も、家族ともこれから会えなくなるであろうという予感が見させたものなのでしょうね(美琴ママは初登場でしたっけ? 父親の姿はありませんでしたが、朝食は3人分用意されているのでいたのでしょう)。それにしても、「地球上すべての空気の粒子の動きを予測」って、もはやスーパーコンピュータとすら言えないような何かというか、そんなものが実現している世界ということに驚きます。まあ、超能力が普通に科学として認識されていることを考えれば、このくらいはなんてことはないのか……。


夏休みの宿題のふりをして、ツリーダイアグラムの受信施設に向かった美琴ですが、彼女のすごいのは、単なる破壊ではなく、最初に誤情報を流そうという計画であることです。しかも、それがなかなかに真実味がある設定。先の戦闘でも感じたことですが、単なる能力にとどまらない、頭の良さが感じられる話でしたね。ただ、彼女が計画を阻止したがっているのはすでに周知だけに、疑われる可能性は高かったところでしょうが……。


しかし、そんな彼女の前に、ツリーダイアグラムはすでに破壊されていたという衝撃の事実が。これはなんでしたっけ。インデックスさんがどうにかしたんでしたっけね? 禁書目録の方の記憶が薄いのでどうもあれですが、美琴の驚きたるやいかばかりだったことでしょうか。


さて、ここまでは美琴の動きを追って来ましたが、今回は当麻と御坂妹10032号とのやりとりも全面に描かれた回でありました。むしろこちらがメイン? これまでは基本的に美琴視点中心だっただけに、どうも「脇キャラ同士のやり取り」という雰囲気が出てしまいますが、これは作品と展開の性質上やむを得ませんか。禁書の方のアニメでは目がなんだかロボットみたいに死んでいた御坂妹でしたが、僕は今作のほうが「クローンでそっくり」というのが実感できて好きですね。感情移入しやすくもなりますし。