翠星のガルガンティア 第10話「野望の島」

ディアーズが元々人間だったということを知り、完全に落ち込んでいるレドを尻目に、ピニオンたちは大張り切り。どうやらお宝は情報ディスクだけではなかったようで、次々と貴重品を発掘していきます。そしてこれに気を良くしたのか、どんどん構想は気宇壮大に。ゴールドラッシュのごとく荒くれ者が集まり、富と力で覇権を狙う。タイトル通りの野望は、フランジすらも押さえきれないものとなってきてしまいました。


う〜ん、まさかピニオンがここまで強気に出ることになるとは思わなかったです。別に悪に染まったというわけでもなく、本来のピニオンらしい気の良さは残しているんですが、逆にそれだけに「力に目が眩んだ」というリアルさがあってちょっと怖いですね。まあ、浮かれているのはしょうが無いとしても、もうちょっと功労者のレドが落ち込んでいるのを気にかけてやって欲しかったです。


メルティも直接レドと話せるほど仲が良いわけでもなく、結局話し相手はチェインバーに。ここでチェインバーは意外なほど滔々と、人類がヒディアーズと戦うことの必要性と意義を語るのでした。以前から思ってましたが、チェインバー賢すぎますね。単に同盟のお題目を機械的に繰り返すのではなく、自らの判断と知性でレドを説得しようとしている。少なくともそう感じさせる言動をみせている。これが人類文明の到達点というのであれば、なるほど、それはヒディアーズには真似のできない領域なのでしょう。


奇しくもチェインバーと同じく杉田智和さんが演じたジョセフ・ジョースターのごとく、人類は完全にはなれないからこそ、知恵を絞って完全生物と対峙しなければならない宿命にあるのか。単純に「ヒディアーズも元は同胞なのだから仲良くしよう」で話が進まないのが、本作の落ち着きを感じさせるところです。そうは言っても、最終的にはなんとか和睦の道を探してもらいたいところですけどね。