とある科学の超電磁砲S 第5話「絶対能力進化計画(レベル6シフトけいかく)」

もし目の前に自分とそっくりの人間が現れたら、人はどう思うでしょうかね。僕だったら不気味に感じて、遠ざけたくなるかもしれません。遺伝子まで同じだと考えると、なんとなく自分の尊厳を犯されたような気持ちになってしまいそうです。もっとも、一卵性の双子の人は生まれた時からそういう存在がいるわけで、そのあたりは余人にはなかなか想像できない関係なんだろうなと思ったりもしますが。


さて、今回は美琴が「妹」と遭遇し、その実験に直面するという重要なエピソードでした。噂を聞いていたとはいえ、実際に自分のクローンに対面した時の美琴の緊張感はいかほどのものだったか。そして、その相手のマイペースな言動に力が抜けていったかということが、きっちり伝わってくる流れでしたね。逆に御坂妹の方は美琴に会ったことをそれほど驚かず、むしろ予期していたような雰囲気すらありました。もしかしたらオリジナルに会いたいと、わざと電波を飛ばして美琴を呼び寄せたのかもしれませんね。


印象的だったのは御坂妹の目の描き方で、禁書目録では区別をつけやすいようにかロボットぽい印象だったのですが、今作では美琴と区別がつかなくなってますね。これで一段とクローン度と感情移入度がアップでした。


そして物語は、学園都市の陰惨な暗部へと踏み込んでいきます。分かってはいてもやっぱりひどい、ひどすぎる。二人のアイスやゲコ太バッジを巡ってのやり取りが微笑ましかっただけに、落差が怒りと悲しみを誘います。こんな計画を平然と実行しているとは、やはり学園都市の上層部はおかしい。完全に狂っているとしか思えません。ここを叩かないとこの世界に平穏は無さそうですが、それは禁書目録の役割で、本作の対象外なのかなあ……。