たまこまーけっと 第12話「今年もまた暮れてった」

京アニけいおんスタッフの新作ということで注目された今作も、最終回になってしまいました。「なってしまった」というのは少々微妙な表現ですが、結局いまいち盛りあがりきらなかったなというのが正直なところです。さすがに作画演出はしっかりしていたので心配ありませんでしたが、いったい何を描きたい物語なのか、最後まで見えなかった感でした。たまこたちを中心としたキャラの可愛さなのか、商店街の人情ものなのか、王子からの求婚話なのか。どの要素も中途半端になってしまったと感じます。


ラスト、たまこはメチャ王子に「ごめんなさい」するわけですが、彼女は最初から家業にも商店街にも愛着がありすぎるほどあることは明白なわけで、全然悩む要素がないんですよね。王子自体も出番が遅かったですし、べつに嫁がなければいけないような宿命だのがあるわけでもない。これではハラハラ感も何もあったものではありません。この方面で盛り上げるのなら、王子がたまこに一目惚れした上に序盤から熱心に求婚し、なおかつ親同士の約束とか設定を放り込んでおくくらいでないと苦しいですよ。


いや、そのへんはおまけで本筋は商店街のほのぼのだということなのかもしれませんが、こちらもどうもみんな良い人過ぎて世界が最初から完成されすぎというか、逆に感情移入しにくくなっちゃったところはあります。


まあ、そんなこんなが混然とした異色作だった、ということになりますかね……。結局のところ、デラが面白かった、ということで。