新世界より 第24話「闇に燃えし篝火は」

ほぼ全編地下での逃避行。しかし退屈は全然なく、むしろ緊迫感であっという間の1話でした。


前回ラストで早季の眼の前に現れた瞬ですが、朝日とともにその姿を消し、入れ替わるように立っていたのは奇狼丸でした。やはり瞬の姿そのものは早季の幻覚だったようです。しかし、早季が瞬のことを思い出したのは確かで、それからは彼女の心のなかの瞬と会話できるようになりました。多重人格のような様相ですが、あくまで早季の心のなかの別の部分が、瞬のイメージをもって思考しているという感じなのかなと思います。


「あの子は悪鬼ではないのではないか」という疑念は持ちつつも、迫り来る恐怖に対処せざるを得ない3人(2人と1匹というべきか?)。命を賭してサイコバスターを投げつけた覚でしたが、彼への感染を恐れた早季はとっさにそれを焼却し、消し去ってしまうのでした。ここのところの早季の判断と後悔はどちらもよく分かりますね。これ以上大切な仲間を失いたくないという思いと、皆が懸命に作ってくれたチャンスを壊してしまったという悔い。ひとつ言えそうなことは、前者の思いは多分、早季が自覚する以上に強かったのだろうなということです。それだけ今までの別れが彼女にとって傷になっているということで。


それにしても、今回頼もしかったのは奇狼丸。僕も前回までは疑っていましたが、上手くミスリードされましたよ。たしかに彼も人間の統治に対して良い思いは持っていないものの、すぐには爆発せず、長期的に考える視野がある。それに野狐丸に対する恨みもあるのでしょう。だからこそ信頼出来ました。早季たちを導き、叱咤する姿はさすが歴戦の勇将です。


次回はいよいよ最終回ですか。早季の最後の作戦はいかに? サイコバスターを破壊した早季の行動は理解出来ますが、さりとてこのまま終わっては乾さんの死も浮かばれないところ。固唾を飲んで見守るばかりです。