ちはやふる2 第9話「わたのはら」

いきなり前回の感想になってしまうのですが、第8話「みかさのやまに いでしつきかも」は今作にしては稀有なことに、いささかお話が滑っていたような感がありました。千葉県代表の外国人チームに戸惑う千早たちの話は、「日本文化に興味を持つ面白外国人たちと、色眼鏡で見る日本人たち」という、双方にとってステロタイプ的な描写(少なくとも、そう見えかねない危険)をはらんでましたし、それを「ただのかるた好き」というキーワードで乗り越えようとするところに主眼があったのではありましょうが、千早たちが最後にホワイトボードに書いたメッセージが英語なことで、それもあやふやになってしまってました。


日本在住で、日本語しか話せない彼らに対して英語で書くというのは、結局千早たちも彼らのことを見た目でしか捉えられていなかったのではないか、という疑問が募ってしまうのです。まあ、最大限好意的に見れば、千早たちはそれを百も承知で、最初に千葉代表が見せた英語での威圧作戦に対する意趣返しという捉え方もできなくはないのですが、アニメを見るかぎりはそこまでの描写には感じられませんでしたしねえ。ちょっとモヤモヤしたものが残っちゃいましたよ。


ま、それはそうとして、今回は瑞沢はちょっとお休み。まさかの新主役回でした。もともと3人しかいなかった福井代表。それで勝ち上がってきたということは全員全勝ってことですか、すごいなあ……って、3校しかエントリーがないんじゃ1回勝っただけで良かったのかもしれませんが、福井は個人戦重視の風潮が強いってことなのですかね。確かに個人の実力だけならそのほうが分かりやすいでしょうけど。


そんな中、渋滞で来られないメンバーのために、新が替え玉で参戦させられることに……。このとっぴな展開の中で、団体戦の魅力に気づく新という明るい面と、替え玉参加は立派な不正であると厳罰を受けそうになるシビアな面を両方しっかりと描いているのはさすがと思いましたね。軽い気持ちで替え玉やって「めでたし」で終わってはたしかに甘すぎますし。しかし出場停止だと新にとっては痛すぎ。どうなりますやら。