リトルバスターズ! 第12話「無限に続く青い空を」

美魚ちんシナリオに順調に進行中。


なのですが、美魚はさておき、冒頭での募金の話が今作らしい雰囲気をよく出していたなと思うわけです。普通こういう作品だと、どうしても主人公とヒロインの関係ばかりが中心になりがちなんですが、今作においては男子同士、女子同士のやり取りが結構多くて、このシーンなんかは完全に別行動でリトルバスターズが機能しているんですよね。それも、以前出ていた小毬のボランティア活動だとか、鈴の人見知りだとかも合わせて生かしている。なかなかに味わいのあるシーンだと思いました。


さて、それで美魚です。理樹の勧誘の甲斐あって、マネージャーに就任決定。人数もまともに揃っていないような草野球チームのマネージャーが何をするのかという疑問はなくもないですが、練習を眺めつつ本を読んでいれば良さそうではあります。


翌日の練習が短歌コンクールになったのも、恭介が美魚の事を考えてのことでしょう。このへんの気の利かせ方がさすがのリーダーです。もっとも、美魚はその空気に戸惑って外へ逃げ出してしまったわけですが。いや、あまりにトンデモな短歌ばかりなので、嫌になったのかと心配しちゃいましたよ。


「図書館に並んでいる本を全部読むには、わたしの人生は短すぎるんです」


これはまったく。本好きだったら誰もが一度は思うんじゃないでしょうかね。


穏やかな日常のはずなのに、なんとはなしの不安を感じてしまう理樹。美魚シナリオは、彼女のセリフや音楽とも相まって、どこかはかなくて、危うい雰囲気をたたえています。それはちょうどKANONやAIRのような純正KEY調とも言えて。やっぱり引きこまれてしまうんですねえ。


おまけの二言。


「ですが、残る二人はどうでしょう。ちょっと難しい気もします」
「棗×直枝、これはいけます」


主人公なのに、ヒロインにここまで言われてしまうのも珍しい気がしますよ、理樹くん。まあ、これもある意味人徳ですか。