新世界より 第12話「弱い環」

早季が対峙した倫理委員会のトップ、朝比奈富子。どう見ても覚の祖母には見えない若さで、波紋法でもマスターしているのかという感じでしたが、思ったよりも話のわかる人でした。早季達の倫理規定違反を知りつつも見逃し、むしろ教育委員会に処分の取りやめを依頼してくれていたとは。のみならず、早季に後継者になってもらいたいと望んでいるのでした。


これには早季も驚いていましたが、富子によると早季は人格指数がトップレベルだとのこと。これは分かるような気がしますね。先日真理亜も触れていた早季の強さ。別に鈍感というわけではないし、怒ったり悲しんだり不安になったりということはいつもしていますが、それでもまっすぐに行動し続ける意志力を、確かに早季は持っているように思われます。ちゃんと若手の素質も見抜いているとは、やりますね、倫理委員会。


今まで悪役のような存在感だった倫理委員会ですが、それはあくまで悪鬼と業魔という恐怖から町を守るため。悲運な業魔はまだしも、他人を攻撃できないようになっている人類にとって、そのかせが外れた悪鬼はまさに恐怖の対象でしか無いのでしょうねえ。だからこそ、災いの芽は早めに摘み取ってしまう。ひどいといえばひどいのですが、この社会ではしかたのないことなのか……。


最後にちょっと時間と場面が飛んで(真理亜たちの面談はどうなったんだろう?)、守が行方不明に? 彼もまた消されなければ良いのですが……。


やっぱりこの作品は面白いですね。作画とかところどころ荒削りですが、展開、世界観、キャラ、いずれにも引きこまれます。