人類は衰退しました 第12話「妖精さんの、ひみつのおちゃかい」

「のばら会」に加わることとなり、「わたし」の学舎生活も一応の平安が。しかしそんな中、Yの隠し部屋を訪れた「わたし」は、のばら会メンバーの隠された一面を知って驚嘆することに。まあ、一番害が無さそうなのは魔女先輩の髪の毛収集かなあ。AB先輩は態度が悪いだけなので無害なのは無害なんですが、どうもお近づきにはなりたくないですねえ。こういうメンバーを見ると、Yが逃げたくなったり、腹黒でも俗人で分かりやすい「わたし」に近づこうとするのも納得かも。


とはいえ、そんな姿を見ても結局「わたし」はのばら会に出続けて、Yも復帰したようで、そのへんは「わたし」の度量の広さといいますか、人間裏では色々あるもんだよね的割り切りを感じるところでした。まあ、なんだかんだ言ってもみんな悪人では無さそうですしね。


やがて、そんな学舎生活にも終わりの時が来て、「わたし」と巻き毛ちゃんも寂しいお別れ。手作りお姉さま人形を舐めたり刺したりしていた巻き毛ちゃんでしたが、「少女同士の行き過ぎた友情」なんて事にはならなかったようで、卒業することには立派になってましたね。


そしてお話は現在に。訪ねてきた友人というのがYなのはちょっと拍子抜け感が否めず。のばら会のみんなに出てきてもらいたかったものですが。Yが3話で登場済みだったのは痛いです。登場済みだったからこそ「ここからどうやって仲良くなるんだろう」的興味が湧いたのも確かですが、このシーンではマイナスでした。


ただし、友人はそれだけではありませんでした。学舎で孤独な「わたし」を慰めてくれた管理ロボットも一緒だったのです。そしてロボットの中から「おつとめしゅーりょー」で飛び出てきたのは、かつて出会い、主人公を救ってくれた妖精さんでした。


「まださびしい?」
「いいえ、頭の中でいつもお茶会が開かれているようなものですから」


ここのところの笑顔は、「わたし」にしては珍しくなんの余計な思惑もない、心からのもので感動的でした。彼(妖精さん)とロボットは、いつも私と一緒にいてくれたんだなあ、とグッと来ましたよ。そして人類は本日も絶賛衰退中。良いラストでした。


アニメ化と聞いた時、果たしてこの世界をうまく表現できるのかと心配でしたが、予想以上に楽しい出来だったと思います。「わたし」の見た目が可愛くて頭は良いけど結構腹黒で煩悩じみているところが、中原麻衣さんの演技もあって、印象的でしたね。


ただ、やはり賛否が分かれそうなのは時系列の入れ替えです。この「おちゃかい」を最後に持ってきたのは良いと思いますが、それ以外は普通に進めたほうが分かりやすかったのではないかと。あと、もうちょっと1話あたりの尺をとって欲しかった。「さぶかる」あたり削っても良かったような気がするところです。原作を残しておけば2期の期待もできますしねえ。