TARI TARI 第6話「笑ったり 想ったり」

前回、そして今回と和奏前後編とも言えましょうか。スタッフの入魂を感じる、感動のエピソードでした。


雨の中を駆けまわったことと、心労から風邪を引いてしまった和奏。ここでのふらふらした様子が実に風邪っぽいところ。また、そんな娘を気遣う父・圭介の愛情が自然に伝わってきます。後のほうで沙羽と父親のケンカが描写されていましたが、坂井家の父子関係は良好そうですよね。それはもちろん、圭介の優しさもあるでしょうが、和奏の方が母を亡くした後悔を繰り返さないようにと気をつけていることもあるのでしょう。


風邪も治って、サブレに乗せてもらった和奏。ここの描写も単純に素晴らしい。和奏と一緒に馬に乗って、駆けまわるような気分になりましたよ。


Bパートからはいよいよもって和奏の独壇場。レンジに食パン袋とか、もはやギャグでやってるとしか思えず、その後、男子部員の珍練習を見て大笑いするシーンも、これまでの彼女になかった表情で、心身の回復をうかがわせました。


ただ、そんな中でも気にかかっていたのが母・まひるの死のこと。なぜ母は自分に病気のことを話してくれなかったのか。考えてみれば、これを聞くことができるようになるまでに、彼女は3年かかったんですね。切ない話です。


圭介からまひるの真意を聞いて、ピアノを捨てたこと、ひいては音楽を捨てたことを、初めて心から後悔した和奏。しかし、それらは手を伸ばせばまだ、取り戻せる場所にあったのでした。前回、あっさりピアノが捨てられてしまったことに驚きましたが、実はとってあった(どこにだろう?)という圭介はさすがです。


ラストは待ちに待った和奏の、そして部員一同の合唱。高垣さん、そして皆さん歌上手ですねえ。EDの演出もまるで最終回のよう。なんだかずいぶん季節も流れているようでしたが、あれは未来のイメージとして、また次回は元の時間に戻るのでしょうかね?