Fate/Zero 第18話「遠い記憶」

物語は過去へ。”ケリー”こと衛宮切嗣の遠い記憶。


東南アジアだかどこかのひなびた島で、魔術師の父と平穏に暮らす少年時代の切嗣。村にも溶け込み、今は見られない純朴な笑顔が眩しいです。あとシャーレイが可愛い。


切嗣の父が魔術師というのは一瞬意外に思いますが、代を重ねて受け継ぐ魔術師の文化からすると、当然といえば当然でしたね。今作自体、士郎の義父である切嗣が主人公なのに、さらにその前の世代まで出てくるとは、奥が深いことです。


枯れない花の作成など、「不死」の研究をしていた切嗣の父。しかしその研究をシャーレイが勝手に持ちだしたことから、村は滅亡に向かいます。「死徒」とは懐かしい単語。どちらかというとFateよりも月姫寄りの言葉ですね。結果的にシャーレイと村を犠牲にした父を許せず、殺してしまう切嗣。それが彼の運命の大きな分かれ道なのでした。


シャーレイや村人の死をさほど悲しみもしない切嗣父は確かに冷淡にも見えます。ただ、この悲劇は彼が積極的に起こしたものではなく、シャーレイが勝手に行ったことと考えれば、情状酌量の余地はあり、息子に対するそれなりの愛情を踏まえても、切嗣の行動こそ親殺しの大罪ではないかという気もしますねえ。少なくとも、普通の子どもはそこまでの行動には踏み切れないでしょう。ナタリアが言うように、「親殺しの理由としては下の下」の実行をしてしまう切嗣の、本質的な衝動があるのですかね……。


次回も過去編の模様。セイバー達の姿が見られないのは寂しいですが、切嗣の今に至るまでの物語をじっくり見せてもらいたいです。