坂道のアポロン 第4話「バット・ノット・フォー・ミー」

実はアメリカ人の血を引いていた千太郎。薫の家庭も居心地の悪そうなのは大概でしたが、温かい家庭に恵まれているように見えた千太郎にも、そんな悩みがあったとは。千太郎の子供の頃といえば、作中の「現在」よりもなお終戦からの期間も短く、「敵国」意識が根強い描写もあって、相当に辛かっただろうなあと思わされます。イジメに反発していったがためにケンカ好きの不良と呼ばれるようになってしまったと。となると、千太郎にとっても薫は同世代の同性の友人なのかもしれません。


さて、そんな千太郎が米兵相手のジャズ演奏というのも何かの縁なのか。ジャズは素人だったはずの薫も、半年以上の練習で大分上手くなったようで、カルテットの演奏も熱が入りました。このまま最後まで名演奏を聞かせてくれるのかと思いきや、客のイチャモンで一気に場は白けてしまうという意外な展開。ここを救ったのが淳兄でした。的確な判断と歌で場を盛り上げる淳兄。薫が言うように、これは憧れてしまいますね。百合香もすっかり惹かれてしまったようで。


薫と律子もギクシャクしていますし、演奏は上手くなっても、片思いばかりでどうやって人間関係に収拾がついていくのやら。重くなりすぎない適度な空気ではありますが、少々先行きが心配になってきますよ。