ラストエグザイル-銀翼のファム- 第21話「Grand master」

最終回。グランエグザイルは地球に残された人々が作りだそうとした船でした。つまり、ギルドの力を借りずに独自技術で頑張ろうとしたわけですね。でも、結局は夢かなわず、作りかけで放置されてしまったと。この設定は面白かったですが、それでルスキニアが引き継ごうとした夢とは? 結局のところルスキニアは何をしたかったのか、そこのところがいまいち分からなかったなあ、と思うわけです。


最初からグランエグザイルが使用に耐えないことは分かっていたらしい。ということは、やっぱりわざと負けて憎まれ役になる路線だったのかなとも思われますが、その割にはかなり本気で攻撃してます。ミリアとディーオの機転がなければトゥランは完全に滅んでいたはず。それに、誰もたどり着かなかったらサーラどうする気だったのかと。「もしグランエグザイルが保って、勝てたらそれはそれでよし」という両面戦術だったのでしょうか? 謎です。


ともあれ、戦いはすんで、各国の和平が結ばれました。どうも、問題は何も解決していない感は否めませんが、ファムに母親のことが知らされたのは良かったなと。そして第2回グランレース。クラウスは脚が不自由になってしまったのですか。でも前向きさは失っていないようで、またいつか空を飛べることでしょう。今回は声もありました。レース結果は、ディーオがトップ、かと思いきや後席不在のためにファムたちが繰り上がり3位という落ちだったようで。まあ、いきなり優勝されるよりはこのくらいのほうが良いでしょうね(3位でも驚くくらいです)。リリアーナ暗殺のディアンが無罪放免というのは、まさに勝てば官軍ということでしょうか。どうもしっくり来ませんが……。


さて、2クール見てきたわけですが、それなりに面白かった反面、かなりもったいない作品だったなあ、と思わずにはいられないところでもありました。CGを駆使した艦隊戦は前作以上の迫力。音楽も良く、世界観も魅力的……なのではありますが、肝心のストーリー展開に説得力が欠けましたね。ご都合主義的といいますか。細々したところにもうちょっと(いや、もうかなり)リアリティがあれば名作となりえたでしょうに。


「空族って結局強盗じゃないの?」という根本的疑問が最後まで追求されずに終わってしまったのも痛い。主人公のバックボーンであるだけに、倫理的に引っかかるのは減点材料です。


もうひとつ加えるならば、アルがせっかく出てきたのにあんまり意味なかったなあ、と。まあ、元気に成長した可愛らしい姿を見せてくれただけでも良しとしますか。