あの夏で待ってる 第11話「行かないで、先輩。」

イチカのお姉さん、エミカが登場。すでにイチカの「失踪」は大事になってきているようで、なんとしても辺境惑星から連れ帰ろうというエミカなのでした。一体彼女たちの星がどのあたりにあるのか、どんな文明なのか、そもそも宇宙人のはずなのに体も心も人間と一緒過ぎませんか、といった疑問はあらためて生じるところですが、まあ本作はSF風ラブコメであって、ハードSFではありませんので、そこは流すべきなのでありましょう。


今までの「先輩」としての顔とはひと味違い、「姉の前での妹」な雰囲気が新鮮なイチカでした。しかし、宇宙的包囲の前に、別れを覚悟気味。柑菜は「そんな簡単に諦めるんですか」と叱咤しますが、何しろ相手は家族の情だったり法律だったりしますので、さすがにそう簡単な話ではありません。と、そんなところでもはや本作で一番謎な存在である檸檬先輩の登場なのでした。


「そんなあなたたちに朗報があるわ。フッフッフッフ……」


いやあ、いつも盗撮ばかりして困った人だと思ってましたが、こういう時には頼りになりますねえ。イチカの「風景」を探しに、各種免許と道具を使いこなす檸檬。ますます謎な人ですが、彼女の用意した発信機を手に、哲郎、美桜、柑菜が、海人たちを助けようと、次々車を降りていくのは熱い展開。相変わらず脚本の妙を感じさせます。


ラストはサブタイトルもメインタイトルと重ねて美しく。きっちりと締めてくれそうな期待です。