パ・リーグ戦力分析 2012 その1

巨人の契約金騒動で今年もゴタゴタしていますが、いよいよ開幕間近となりました。今年のパ・リーグは例年以上に戦力変動があって非常に読みにくい、それだけに楽しみなシーズンとなりそうです。去年は震災の影響で手抜きな順位予想になってしまったので、今年はもう少ししっかりと分析したいところ。なおその前に、


毎年買っている選手名鑑。去年はデータの削減に苦言を呈しましたが、そのかいがあってか(?)、今年は各種データが復活しました! 日刊スポーツ出版社さん、GJです。



千葉ロッテマリーンズ
○2011年成績 54勝79敗9分 6位 432得点 533失点 得失点差 -101
主な戦力異動:+藤岡、サブロー、ホワイトセル、グライシンガー


昨年は後半にズルズルと滑り落ちていった印象が強いです。終わってみれば打率も本塁打防御率も最下位。一昨年の日本一チームが無残な結果となってしまいました。特にチーム本塁打46本が、西武中村1人に及ばないというのは話題になってしまいましたね。


さて、そんなロッテの今年の補強ですが、目玉は新人藤岡。実力の東都で揉まれた左腕だけに、ローテ入りも濃厚、新人王の最有力候補でしょう。エースの成瀬、成長著しい唐川とあわせて、なかなかの3本柱を形成できそうです。4本目以降は、渡辺俊介、小野のベテラン勢に、上野、グライシンガー、ペンあたりで回すものと思われますが、やや弱い。グライシンガーが復活したらすごいですけどねえ。


リリーフでは薮田の年齢と、毎年投げまくっている伊藤の疲労が気になるところ。とはいえ、薮田がこれほど息の長いピッチャーになるとは思いませんでした。メジャーでももうちょっとやれるかと思いましたけどねえ。それと、ロサは掘り出し物で羨ましい。


投手以上に問題の打線。もともと「6番打者を並べたような打線」と評されてましたが、西岡が抜け、なおかつ統一球の直撃を食らったことで、6番打者が7番打者になってしまった感じです。これは相当な補強をしないと立ちゆかないだろうと思っていたのですが、やったことはと言うとサブローの復帰と、ヤクルトを首になったホワイトセルの獲得のみ。これで大丈夫なんだろうかと、他球団ながら心配になってしまいます。


サブローは人気とかリーダーシップとかはあるのかも知れませんが、戦力的には? 里崎や井口も衰えは隠せず、楽しみなのは伊志嶺の成長と荻野の盗塁(ただし、故障をしなければ)と岡田の守備くらいのような。まあ、ホワイトセルはそこそこお買い得な感はありますが、どう見ても長打力が不足すぎかと。


【評価】 投手☆☆☆  野手☆  総合☆☆



東北楽天ゴールデンイーグルス
○2011年成績 66勝71敗7分 5位 432得点 464失点 得失点差 -32
主な戦力異動:+フェルナンデス、テレーロ、下柳 −岩隈、山崎


実はロッテと同じ点数でリーグ最下位タイ。それでも、ロッテに10ゲームの大差をつけたのは、リーグ3位のチーム防御率(2.85)あってのことでした。すっかり大エースとなった田中に、2年目の塩見、復活期す永井らがローテの中心となると思われます。リリーフも小山、青山、片山の「スリーマウンテン」に、抑え転向で成功したラズナーがいてなかなか。


ただ、誰もが気になるポイントは岩隈が抜けたこと。セイバーメトリクス的データを持ち出しますと、岩隈の昨季のRSWINは1.10。これは、「平均的な投手に比べて1.1勝の価値があった」という事のようです。約1勝というと大したことがないように見えますが、「平均的な投手と比べて」というところがミソで、岩隈の穴を埋めるのに平均以下の投手しか充てられないと、2勝3勝以上の差が出てきてしまうかもしれません。


打線ですが、こちらもロッテ同様の迫力不足。山崎の退団はフェルナンデスで一応埋まるにしても、上乗せとまでは言えません。聖澤とか内村とか小技のきく選手はいますが、松井が3番と言っているようでは厳しいでしょう(もっとも、松井は復帰2年目で成績を上げる可能性もありますが)。岩村は早速肉離れとかで今年も期待薄。ガルシア、テレーロの両外国人がよっぽど頑張らないことには、今年も貧打の可能性は高そうです。


【評価】 投手☆☆☆+  野手☆  総合☆☆+