偽物語 第11話「つきひフェニックス 其ノ肆」

最終回らしい演出の切れ味。熱く、感動的な展開でした。


「月というのが気に入った。太陽は儂の敵じゃが、月には色々と恩恵を受けておる」


この忍のセリフまで考えて月火の名前が決まってたらすごいよなあ、と思いますが、さすがにそれはたまたまでしょうか。家を飛び出していく暦、影絵として自転車の荷台に登場の忍、そして背景を大きく締める月の構図が美しい。ああ、そういえば化物語のアニメってもともとこういうイメージだったっけと思い出されます。


そして余弦たちとの戦い。家族だからこそ理想を押し付ける、偽物が悪だというのなら、それを自分が引き受けると言い放つ暦。ボロボロになりながらも立ち上がり、月火を守ろうとする姿がまさに主人公。このところ変態な部分ばかり見せられてましたが、これこそ暦の真骨頂です。


だいたい余弦は「正義を押し付けるな」なんて言ってますけどね、実際押し付けてるのは自分たちじゃないか、と思いますよ。月火に対して、なんの理由も示すこと無く、いきなり殺しにかかる。まあ、前回のはお試しで、本当は不死の鳥をも滅ぼせる技が別にあるんでしょうけど、何れにしてもそっちのほうがひどいというもので。


戦い終えて夜は空ける。


「無理させろよ、好きでやってんだから」
「知ってる知ってる。お兄ちゃんは私達が大好きなんだよね」


ここの部分、原作では割とサラリと読んでましたが、声がつき、音楽がつくと感動もひとしおというものです。そこはアニメの強さですね。



さて、これで偽物語も終了。ストーリー的に化物語ほどの密度がないのは、ファンブック的な立ち位置の原作からしてやむをえないところかなとも思いますが、月火の話はもっとふくらませられたんじゃないかと惜しい気はあります。でも、おなじみの楽しい掛け合いを見られたので全体的には満足。最後に「次回に續」なんて出てましたので、またその内彼ら彼女らには会えそうですね。