Another 第10話「Glass eye -漆黒-」

松永のテープが語った事実は意外なものでした。


「死者を死に返す」


それによって災厄は終わりを告げたのだと。


聞いてみればなるほど、と思わせる話ではあります。前回までの振りから、松永がおそらく殺人もしくはそれに近い事故を犯してしまったのでないかという推測はつきましたが、それが災厄とどう関係するのかが分かりませんでした。こういう仕掛けで来るとは、うならされます。


ただ、そうは言っても誰が死者なのか分からない。結局意味のないアドバイスではないかと思わせておいて、生きてくるのが鳴の義眼の設定。なんと、彼女には「死の色」が見えるのだという。だったらはじめから見ておいてくださいよと言いたくなりますが、それだけ人前に左目を晒すのは抵抗があるということなのでしょう。いよいよ彼女の口から死者が明かされるのか? というところで慌てて乗り込んできた勅使川原。彼は彼で松永のような状況になってしまったのでしょうか?


さて、今回は上記の展開の中にも、鳴と赤沢さん――ええと、名前で統一すると泉美ですか――との対峙が描かれてもいました。鳴に謝罪を迫る泉美ですが、そもそも論で言えば、風邪で休んで恒一に知らせられなかった彼女の責任も大きいような気もします。ま、そこは最初に謝ったということかも知れませんが。いずれにせよ、こんな理不尽な災厄相手に責任どうこうといっても仕方ない部分もあり、実際は恒一をめぐっての言い争いという見方もできますね。泉美の夢に出てきた恒一はいつの時期の話なのでしょうか。


それともう一つ、従姉妹かと思いきや双子だった未咲ちゃん。物語の最初から亡くなっていたので病弱な印象が勝手にありましたが、元気で可愛い子だったようで。これも災厄の一環なのだとすると、ますますもってひどい話であります。