ラストエグザイル-銀翼のファム- 第18話「Transposition」

サドリが独断で受諾した和睦を、ルスキニアが肯定したのは少し意外でした。彼としても、これ以上の内乱は連邦の勢力を削ぐので得策ではないという判断でしょうか。また、一旦皇帝の前に戻れば、その実力と弁舌で権力を再奪取できるという自信があったのかもしれません。


そんなこんなで諸侯を集めての講和会議。かりそめの和睦、薄氷の平和というギスギス感がなんとも言えません。結局のところ、サーラの感情論と、一応の彼女への忠誠心で無理やり場を収めているので、根本的な解決にはなっていません。まあそれでも、一応武力行使が棚上げになっただけでも前進といえば前進なのかもしれませんが。


「連邦の大義とは、この星の限りある資源を次の世代につなぐことだ」


え、そうだったんですか? なんだかこれまた急に出てきた話のような気がしますが。帰還民がこれ以上増え、豊かな生活をするようになると、結局またすぐに星が荒廃してしまうとのこと。それとルスキニアの侵略が直接どうつながるのかはよく分かりませんが、環境問題的な面があったんですね。それならそうと、もっと早い段階で明かしていれば、物語に深みが出たように思うんですけど。単に旧領奪還のためにやっているようにしか見えませんでしたよ。


リリアーナとミリアの再会。そしてリリアーナの死。前から書いてますが、アデス連邦はいろいろ無警戒すぎますよね。あんな重要人物並ぶところで警備はどうなってたんだと思います。まあそれはともかくリリアーナ。結局不憫な役どころであったなあと。彼女がこれまでどんな政治を行い、慕われてきたのか、そして何を思ってルスキニア側についていたのか。描写がもうちょっと(できればもう数倍)あれば、より印象深いキャラになったであろうに、と思います。


あ、そうそう、主役のはずのファムですが、なんだかサドリ経由で身元が判明しそうな気配? 別に分からなくても彼女はカルタッファルのファムでも良いじゃないか、と第三者的には気軽に考えてもしまいますが、本人はやはり心の奥に両親を知りたいという思いはあることでしょうね。なんといってもまだ15歳であることですし。