「金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか」

金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか (光文社新書)

金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか (光文社新書)

新書ですが、500ページ超の大部。タイトルのとおり、世にあふれる金融広告の読み方をレクチャーしてくれます。というより、客を騙そうとする金融広告の悪質さを教えてくれるといったほうが正しいかもですが。


「好金利」とか「絶対収益」とか、さらには「金融工学」とか「ヘッジファンド」だとか、魅惑的な用語を散りばめている各種広告ですが、結局儲かるのは金融機関ばかりという事実。7年くらい前の本ですが(2005年がもう7年前とは!)、今でも状況はさほど変わっていないでしょう。


僕も基本的には分かっていた(つもり)の部分が多かったですが、仕組みが複雑になるほど客が損をする可能性が高いということや、特約というのは売る側にとっての特約であるということをあらためて痛感しました。あと、期間固定の定期預金や国債はインフレに弱いという指摘は、デフレ時代の中で見落としていたので勉強になりました。


それにしても、読んでいくと暗澹たる気分というか、辟易としてきます。客が騙されないように知識をつけることも大事ですが、金融機関にも、もっと誠実な商品を広告してもらいたいものですね。