輪るピングドラム 第24話「愛してる」

最後の1話でまとめられるのかな、と思っていましたが、まとまったと言うよりは、勢いで押し切ったという感。正直、良く分からない部分が多かったですが、それでもなんとなく納得させられてしまう演出力はさすがだったのかも。美麗な絵と音楽は圧巻でした。


幼い頃、冠葉から分け与えられた晶馬の命。そして、その晶馬がまた陽毬へと与えたもの。リンゴの姿で表現されたそれこそがピングドラムでした。3人が集う描写は、再び命を分担したということなんでしょうかね。……で、なんでピングドラムって言うんでしょ?


そして苹果の言葉「運命の果実を一緒に食べよう!」。それは運命を乗り換えるキーワード。誰かを選んで、「愛してる」と伝えるその心こそが、世界を変えるということなのですかね。苹果をかばって「罰」を受ける晶馬は、最後まで「苹果」ではなく「荻野目さん」呼びでした。それはそれで珍しいかも。


ラスト、運命が乗り換えられた世界で、陽毬も苹果も冠葉と晶馬のことを忘れてしまった様子(多蕗とゆりは覚えているのかもですが)。救いは残しつつも、物悲しさが残る終わり方でした。


すみません、それっぽく書いて見ましたが、やっぱり良く分かってません。色々と濃い演出が多くて解釈容量オーバーって感じです。他の方の感想で補完しないと……。



幾原監督の新作ということで注目を集めた本作。十分水準以上に面白かったですが、構成的にはやや見通しが悪かった印象です。振り返ってみると前半の苹果のプロジェクトM騒動はちょっと長すぎたと言うか、余計だった気もしますね。マリオの存在もいまいち展開に絡まなかったですし、桃果も最後まで謎の多い小学生で終わってしまいました。


それになにより、結局プリンセス・オブ・ザ・クリスタル様が何者だったのかよく分からないのはいかがなものかと。初回から出てきて派手に作品を引っ張ってくれただけに、中途半端なお別れは残念。最後の登場はいつでしたっけねえ。それとも、ひょっとして分かっていないのは僕の認識不足だったりするんでしょうか? どこかで答え示されてましたっけ?


そうした点がどうしても引っかかるので、傑作とは言い難くなっちゃいました。それでも、意欲作であり、見ていて引き込まれる作品だったのは間違い無いです。ペンギンズの動きは毎回凝っていて楽しかったですし、OP・EDの歌も良かったですしね。